カワイイ娘ニハ旅ヲサセヨ

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ゲーム日記:倫敦精霊探偵団 Episode.6

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ゲーム日記:倫敦精霊探偵団 Episode.6

~前回までのあらすじ~

19世紀、蒸気機関が倫敦の街並みを変えつつある頃・・・
少年は、名探偵エヴァレットの弟子として働いていた。
怪しげな怪人たちを相手に、数々の事件を解決していく日々。
そして、精霊探偵ヴァージルとの出会い。
機械兵の存在、蒸気機関の暴走・・・
万博開催を前に、倫敦は危険な空気を纏いはじめる。


時間を忘れ、泥だらけになって遊びまわった日々。
目に映るすべてが、ボクの胸をときめかせた。
でも、倫敦にはまだ知られていない、不思議な光景がまだまだたくさんあった。

第六話 ~ネコのお祭り~

エヴァレット 「そういえば、今日はまだアリエスくん来ていないみたいだけど」

毎日先生に会うためだけに、事務所を訪れるアリエス
でも今日は、まだ顔を出してないみたい。
気になったので、ボクは相棒と一緒にアリエスの自宅に向かった。
どうやら風邪っぽい症状が出ていて寝込んでいるみたい。
アリエスは、亡くなった母親に似て、生まれつき体が弱かったらしい。
おてんば娘だと思ってたけど・・・今まで結構無理させちゃってたかな。


ちっとも弱ってなんかないじゃないか
前言撤回。
お見舞いに来たつもりだったけど、これだけ元気があれば大丈夫だろう。
ゆっくり休んでくれるなら、やかましくなくてボクも助かるよ。
よし!
今日は久々に“相棒”と二人で、この倫敦の街を駆け回るんだ。


今日はやけにノラ猫が多い。
陽気な日差しに誘われて、路地から出てきたのかな?
ネコたちは、フラフラした足取りでゆっくりと歩いている。
廃墟や霊園のある方角へ向かうにつれ、ネコの数が多くなってくるけど・・・

『ネコの集会』

そんな習性を聞いたことがある。
もしかしたら秘密の集会が開かれるのかな?
いつもと違う倫敦の光景に、ボクも相棒もなんだかワクワクしていた。
そして、気が付けば、ボクたちが大好きな場所へと向かっていた。


倫敦の街が一望できる、高台の散歩道。
ここから見渡す倫敦の街並は、ボクたちの”宝物”なんだ。

四六時中響き渡る蒸気スチームの音も、ここまでは届かない。
日差しを浴びて樹々は光り、耳をすませば虫たちの合唱が聞こえてくる。
だからなのかな?
草花が、まるでボクに語りかけてくるような感覚に襲われる。

「お願い・・・・・・あの人が・・・困ってるの・・・・・・力になって・・・・・・」

いや、これは気のせいなんかじゃない。
間違いなく草花が話しかけてくる。
あのときと同じだ。
ヴァージルさんの部屋の花がしゃべりかけてきたときと一緒だ!


ボクたちは、ヴァージルさんのアパートへと向かった。
相棒は初対面になるんだけど、それよりもしゃべる草花に夢中になっている。
相棒にも、『精霊』の声が聞こえるんだ。
ボクとアリエス、そして相棒にしか聞こえないのだろうか?
それはそうと、肝心のヴァージルさんは、ずいぶんと具合が悪そうだ。

「蒸気スチームの上にある路地裏・・・にいる人たちに・・・どいてくれるよう頼んでくれないか・・・」

立ち上がることもできないヴァージルさん。
ほっとけないので、ヴァージルさんのお願いをきくことにした。
よくわからない依頼だけど、目的の路地裏へと向かった。


小さな路地裏に入ると、そこはチンピラのたまり場となっていた。
相棒と一緒に軽くひねってやり、チンピラにはご退場いただこう。

ヴァージルさんの次のお願いは、物干し場にある木箱の移動。
木箱が“彼ら”の通り道を塞いでいるという。
見つけた木箱の横には、ネコが通れるほどの大きさの穴が開いていた。

次のお願いは、廃墟となっている屋敷の前にいる大型犬の退治。
お願いを叶えるごとに、徐々にではあるが、ヴァージルさんは元気になっていく。
そして、夜になったらもう一度来てほしいって言うんだ。


そしてその夜・・・
相棒と一緒にヴァージルさんに会いに行った。
体調はすっかり元気になったみたい。
ヴァージルさんは、廃墟となっている屋敷に連れてってくれって言うんだ。

今までのお願いは、屋敷にネコを集めさせるための行動で間違いないだろう。
やっぱり、ネコの集会があるのかな?


昼間にはたくさんいたネコたちの姿が見当たらない。
いつもの、ちょっと物騒な倫敦の夜と変わりない。
ボクたちは目的地に着いた。
廃屋前の通りはいつも人気が少ない。
その理由は、霊園が近くにあることと、「幽霊が出る」という噂のせいだろう。
ボクたちは、閉ざされていた廃屋の扉を壊して、屋敷の中に足を踏み入れた。


屋敷の中は、当時はとんでもない豪邸だったことが伺える造りだった。
大理石の床、大きな石像、高級そうな壺、数々の肖像画・・・
ボクは芸術品の価値はよくわからないけど、すごいお金持ちが住んでたのかな。
蒸気機関が発達した倫敦に、まだこんな場所があったなんて。

真っ暗な廃墟の中だけど、不思議と怖くない。
そして、何かに導かれるように、廃墟の屋上へと向かった。


ヴァージル 「彼らはキミに感謝しているよ・・・ぼくからもお礼を言うよ」

屋根上には、ひと世代前の格好をした人々が、再会の喜びを分かち合っていた。
体が透けて見える。この世のものではないってことは、ボクにもわかった。
ネコの集会じゃなかったのか。
いや。
“妖精猫”
ケット・シーの神話を聞いたことがある。
隣にある国、愛蘭に古くから伝わるという伝説。
今夜はきっと、ネコのお祭りの日だったんだ。
倫敦にいるネコは、亡くなった人々の生まれ変わりなんだろうか?
それとも、ネコも精霊のような存在なのだろうか?
どんなに考えても答えは出ない。
今、この不思議な光景の真実を知るのは、ヴァージルさんだけだ。

嬉しそうに話す彼らの邪魔をしないよう、ボクたちはそっと屋敷を後にした。
霊園の方角からだろうか。
初夏の訪れを告げるラベンダーの香りが、心地よいそよ風に乗って倫敦の夜に溶けていった。

Episode.6 ~ネコのお祭り~ END

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