京都舞妓物語
2001年発売(ヴィジット) 秘められた古都の伝統 ― 舞妓になること・・・それがうちの夢どした |
定期的にクソゲーをやんないとモチベ上がらなくなる病気になってしまいました。
勉強とかダルいでしょ?
筋トレとかキツいでしょ?
でもみんな頑張ってやるよね。
それと同じようにクソゲーを頑張ることで私はアイデンティティーを保ってるんだぞ。
そんじゃ最終兵器『京都舞妓物語』をお見舞いしてやるぜ。
どうぞ
よろしゅう
おたのもうします。
奇ゲーも奇ゲー、舞妓の世界を追体験するという唯一無二の作品どす 。
舞妓を目指す喜代ちゃんとなり、厳しい試練を乗り越えていきはります 。
修行の期間は一年間どす 。
毎月与えられた課題をクリアせんと、この遊戯は終いとなりはります 。
課題のクリアできはりましたら行事イベントに参加できるんどす 。
“粗い実写”と”雑なイラスト”が織りなすマリアージュを楽みなはれ 。
ほな 。
厳しい世界へと足を踏み入れはった喜代ちゃんを見ていきはりましょ 。
喜代 十六歳
よう見てくんなまし 。
なんや恐ろしゅう雰囲気でっしゃろ ?
このゲーム、どないしはったん?
本作を作成したのはマイナーなメーカーであるヴィジット。
代表作に『最終電車』『閉鎖病院』『稲川淳二シリーズ』などがある。
生粋のホラーノベル特化型メーカーなのだ!
かわいい女の子なんて描いたことなど当然ないのである。
この娘っ子が喜代ちゃん言いはります 。
はんなりしてはりまっしゃろ ?
高校生どすえ 。
この娘が名芸妓として名を馳せはるのを見ていておくれやす 。
舞妓になるゆうことは、そう簡単なことではないんどす 。
毎月開催される大切な行事までに、与えられた”課題”を乗り越えてくれへんと困ります 。
このゲームは期間が1年間というダレること間違いなしのロングスパン。
しかもやることが極めて単調な作業の繰り返しだ。
課題をクリアするためには”お花代”と”格付けポイント”の獲得が必須。
お花代は客からもらえるのでADVパートは重要。
格付けポイントは稽古で入手するが、これが地獄。
気絶しそうなくらいおもんないので購入の際は十分にご注意下さい。
もしも課題に失敗でもしようもんならこのゲームは終いどす 。
あんさんにクソゲーは性に合うてへんわ 。
ぶぶ漬けでも食べはります ?
お帰りくんなまし 。
一人前の舞妓を目指す以上、お座敷には当然出てもらいます 。
お客はんの機嫌を損ねたらあきまへん 。
お花代をもらえへんと、綺麗なおべべも買うてもらえまへん 。
一、
私達は常に 美しく 優しく 親切にいたしましょう
舞妓の修行は過酷やさかい、逃げ出したくなる気持ちもわかります 。
鼓、太鼓、三味線、をどり
この四つは極めてもらわんと一人前とは言えまへん 。
『太鼓の達人』やと思えば楽しくお稽古できまっしゃろ ?
これが単調作業の極みであるリズムゲーである。
音声をミュートしてやったほうがいい。
私はPS3でプレイしたんですが、なぜか毎回同じコマンドでミスが頻発しました。
↓〇コマンドの入力が反応しないことが多い。
PS3の互換バグかもしれませんね。
とにかくこの作業を1年続けないといけない。
相当の覚悟とクソゲーの経験がないと絶対に詰むと断言しよう。
一、
私達は 祇園の伝統を 誇りとし
心の修行に務め 技芸の習得に 励みましょう
喜代はん、よう頑張りました 。
ぎょうさんある行事を体験して、歴史やしきたりを学んでくんなまし 。
舞妓として人生埋める覚悟はできはりましたか ?
睦月 ― 初えびす
如月 ― 節分祭
弥生 ― 大石忌
卯月 ― 都をどり
皐月 ― 鴨川をどり
水無月 ― 誕生会
文月 ― 祇園祭
葉月 ― 八朔
長月 ― 櫛まつり
神無月 ― 時代祭
霜月 ― 祇園をどり
師走 ― 事始め
毎月イベントがあり、それまでに課題をクリアしなければならない。
ご褒美のイベントなのだが、まぁ盛り上がらない。
実写とイラストのスライドショー。
祇園の歴史と行事の説明はしっかりしている、だが。
平安時代が好きな私ですらスキップしてしまう。
一、
私達は 京都の 国際的地位を 認識し
新知識の吸収に 意を用い 視野を広くしましょう
こうして、地獄の1年間の乗り切った。
奇ゲーは精神力で立ち向かわないと下手したら鬱を発症する危険性すらある。
有野の言った言葉が心の支えだ ―
「そこにエンディングがあるからや!」
お花代は全アイテム入手できたので問題ない。
ただ、格付けポイントはLV19であと一歩及ばず。
格付けカンストの”名芸妓”の称号を得るのは相当厳しいです。
恐らくマルチエンド採用しています。
これから紹介するエンディングは通常エンドと思われます。
エンドロールはなしでした。
通常エンドですらほとんどの人が見たことないと思います。
その衝撃のエンディングが、こちらです。
喜代ちゃん・・・
不穏なBGM ―
エンディングを迎えた歓喜が 一瞬にして戦慄へ変わった
この感覚は 、 恐怖 、 いや ―
畏怖の念だ
モノクロの背景 そこに 浸食してくる
・・・赤
「先日はおおきに 。
喜代ちゃんの様に 、 気品があって 、
ええ感じのお店どしたなぁ 。」
滴る・・・
赤
それはまるで、赤子の手から流れ落ちる血のようで・・・
戦慄の映像と、気味の悪い手紙が読まれてゆく
「芸妓さんとお店・・・ 上手に両立させて 、ウチは 、ほんまに感心しましたぇ 。
いつまでも 、今の喜代ちゃんのままでいて 、 お客さんを大事に気張っておくれやす 。
それから・・・ 。
モノクロの背景は 少しずつ 色を取り戻してゆく
そこに浮かび上がる 半透明の芸妓の姿 ―
・・・喜代ちゃん ?
・・・どないしたん?
体が透けとりますさかい・・・
くれぐれも身体には 気をつけなはれ 。
雪千代
・・・?
ウソやろ怖すぎるって!
雪千代はん、よう言わんわ~
てな具合の、まさに戦慄の奇ゲーでした。
このエンディングは真面目に作った演出なのか?
マジで凍り付いた。
このメーカー完全にホラーに浸食されてやがる。
まずBGMが怖すぎる。
「なんでそのBGMを選択したんだよ」と思ったが、ホラゲばっか作ってたから仕方がないとも言える。
映像も意味不明なモノクロ背景。
そこから浮かび上がる赤の衝撃。これはひょっとしたらわざとホラーに見せようとしている可能性がある。
“舞妓”という着眼点でゲームを作るという意欲作。
歴史があろうと何だろうと、わたしに言わせれば舞妓なんてキャバクラ嬢ですよ。
キャバ嬢と言えば、そうです。
『ドリームクラブ』という大作が生まれました。
ゲーム作りはセンスがないと作れない。”舞妓”に注目したということは良いセンスを持ち合わせているはずだ。
でも自由に作らせてもらえなかったんだろうな、と感じる作品でした。
自由に作れたなら、ドリームクラブの元祖のようなゲームになれたかもしれない。
そんなやりきれない怒りをエンディングで発散させたのではないか?
血みどろの赤子の手のように見えるスクショがありますが、徐々に浮かび上がってきたのは舞妓の姿でした。
でもこれは”わざと”そう見せるようにした演出だと考えます。
何かしらの強いメッセージが込められている ― そう感じざるを得ない。
だが、それを確認する術はもうない。
というのが私の考察でした。
みなさん、このゲーム買うてくれはりますのん?
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