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ゲーム日記:倫敦精霊探偵団 Episode.16

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ゲーム日記:倫敦精霊探偵団 Episode.16

~前回までのあらすじ~

19世紀、蒸気機関の発明により、めまぐるしい発展を見せる倫敦。
少年は、名探偵エヴァレットの弟子として探偵業を営んでいた。
順風満帆に思えた彼の人生は、ひとりの探偵との出会いにより
大きな陰謀に巻き込まれてしまうのであった。
そして今・・・
少年は本来の倫敦の街を取り戻すため、その陰謀に立ち向かう。


■楊宗元(ようそうげん)
楊宗元という名前が初めて中国の裏社会に現れたのは、実に300余年も前である。
武器の闇取引と行う商人としてその名は代々受け継がれ、
30年ほど前に当代の楊宗元が、英国に渡って来ているとの噂がある。
おそらく、倫敦辺境区の中華街に潜んで、闇取引の指示を行っていると思われる。

第十六話 ~機械仕掛けの魂~
虫たちの鳴き声もあまり聞こえてこなくなった。
冷たい風に揺られるヤドリギと、落ち葉舞う雑踏ばかりが切なく響く。
倫敦の街並は、少しずつ冬模様に変わりつつある。
ボクは相変わらずの寝起きの悪さ。
いつものように、お昼どきに屋根裏部屋を出たんだ。

「機械部門の機械動物たちが制御不能になってしまいましてな・・・」

応接間でエヴァレット先生と話し合ってるのは、市長さんだ。
どうやら怪人結社の連中が万博を襲撃し、展示品を強奪していったらしい。
その後、機械の動物が人々を襲い出しパニック状態だという。
先生は万博の警備主任なので、会場の混乱をなんとかしなくちゃならない。
ボクたちは、強奪されてしまった機械メイドのことを任せられた。

機械メイド ――

以前、ヴァージルさんとともに探し回った機械メイド。
人間の”心”が宿ったかのように逃げ出したんだった。
まずは、暴走した機械が心配。
アリエスといっしょに、街中の様子を確認しなくちゃ。


街では機械の犬や猫が暴れまわっていた。
商店街や歓楽街は店を閉め切り、人手もまばらな状態だ。
ん?アレって・・・

相棒「わーーー!アニキーーー!」


機械動物に襲われている“相棒”
なんか、機械動物たちはじゃれあってるようにも見えるけど。

「あの子ならダイジョウブよ」

たしかに、”相棒”はちょっとやそっとじゃやられない。
申し訳ないけど、今は機械メイド探しを優先するよ。
許してくれ、相棒よ。
ボクたちは倫敦中を駆け回り情報を集めたけど、有力な情報はなかった。
ひとつわかったことは、中華街の人々が市街にきているということ。
“キカイニンゲン”により、中華地区が占拠されてしまったらしい。
機械人間・・・もしかしたら、機械兵のことかもしれない!?
どうやら事件との繋がりが見えてきた。


中華街区域には、彼が待っていた。

ヴァージル「一緒に来てくれないか・・・彼女が・・・生まれてしまったようなんだ」

ヴァージルには、彼女 “機械メイド”の気配が感じられるらしい。
それにもうひとつ・・・
彼女と同じ存在を感じるようだ。
中華街に怪人結社の連中が占拠しているとしたら、相手は楊宗元か?
ここから先に待ち受ける陰謀の渦に、ボクたちは踏み入れることになる。


中華街の人民はすでにひとりもいない。
だがそこには、いかにも怪しい人物を見つけた。
あの赤い髪の女・・・どこかで・・・。
気付かれないよう、ボクたちは会話の様子をうかがった。

「楊宗元が盗んだ機械メイドってのは、よほど大事なものらしいわね」

楊宗元が裏切っただって?
今回の事件は、怪人結社の連中が意図していない事件なのだろうか。
そうなると、ズイッヒェルたちも黙っていないだろう。
問題がややこしくなる前に、楊宗元のアジトを見つけないと。


もたもたしてられない。ボクたちは急いで中華街を駆け回る。
だけど、一足遅かった。
赤い柱の建物の中に入っていく、ズイッヒェルたち怪人結社が見えた。
しかし、あれは一体なんだ?
蒸気機関のような体の人間・・・
その態度からズイッヒェルよりも立場が上の人物のようだ。
残りの二人組は、例のバネシューズのしたっぱだ。
とにかく、ヤツらよりも早く機械メイドを探さないといけない。


楊宗元のアジトは入り組んだ迷路のようだった。
そして、いくつもの部屋には、武装した工作員と機械兵が待ち受けていた。
機械兵を製造していたウェイン&ガース工場は警察が抑えたはず。
すると、ここにいるのは量産された機械兵の生き残りか。
次々と襲いかかる機械兵たち。
ヴァージルさんの精霊たちの力で、なんとか耐えてきたけど・・・
アリエスの体力が心配だ。
できるだけ戦闘は避けながら、機械メイドのいる場所へ向かわないと!


工作員どもを振り切って、ボロボロになりながらも辿り着いたのは・・・
なんんとも怪しげな部屋だった。

『キサマら何者だ・・・結社の連中ではないな?』

アリエス「こ、このヒト・・・人形みたい・・・」

機械の人形に担がれている気味の悪い容姿の男、楊宗元だった。
まさか、人間じゃなくて機械の体だったとは。

『キサマらに、この娘は渡さん・・・』

楊宗元は、どうやら動くことができないようだ。
蒸気のようなものを吸いながら、苦しげな声で語りかけてくる。

寂しかったんだね―――
キミのいるべき場所はここではない―――
もう、ひとりではないよ―――

ヴァージルはそうつぶやき、楊宗元に手をかざす。
彼の手が、まばゆいほどの光を放つ。

『そうか・・お前は・・ついにこの苦しみから開放してくれるのか』


光が消え去ると、奇怪なカラクリ人形の残骸だけが残っていた。
300年前から名前を世襲してきたという武器商人。
その実体は、楊宗元という名の影武者として作られた人形だったんだ。
二代、三代目と伝えられていくうち、本人の魂が人形に宿ってしまった。
機械に人間の魂が宿る ――
その原因は様々だ。説明できるようなものじゃない。
しかし今、人為的に魂を宿らせるホイヘンス率いる怪人結社が現れた。
アイツらを捕まえないと、この負の連鎖は止まることはない。

『あのひとは・・・?どこへいったの・・・?』

悲しげな顔を作って、機械メイドはボクたちの顔を見つめていた。
本当に機械なのか疑いたくなるほどの、切ない声だった。

「彼の本来いるべきところに行ったよ・・・キミも行くんだ。」

『よかった・・・あのひと・・・ずっと寂しそうだった・・・』

ヴァージルが”彼女”に手をかざした。
崩れるように、彼女は儚く伏していった。
きっと偶然だと思う・・・
その鉄の仮面から、オイルのような液体がひとすじ流れ落ちた。


裏の世界で操る武器商人として、たったひとりで生きてきた楊宗元。
何百年もの間、孤独の中でこの”世界”を見てきた。
そんな中、ただひとりの同類、”機械メイド”の彼女を見つけたんだ。

ヴァージル「彼女を連れて帰ろう・・・」

ボクは、彼女を背中に背負おうとした、その時だ。
アイツら怪人結社が到着してしまった。
まずい。今のボクたちの体力ではこいつらに勝てる見込みはない。

蒸気の体の男「お前たちは・・・どこかで見た顔だな」

このままみすみす機械メイドを引き渡すわけにはいかない。
だけど、体力を消耗したアリエスを守って戦う余裕もない。
いや、きっとまだ何か手があるはずだ!

エヴァレット「よかった。間に合ったようだね。」

って、先生・・・ズルいよ。
続けて入ってきた警官たちが、怪人結社を包囲していく。
万策尽きたかに思えた窮地を救ってくれた先生に、
アリエスは目を輝かせて近寄っていく。
すっかり見せ場を横取りされてしまったボクは、その場に崩れ落ちた。
やっぱり先生には敵わないや。


警察の手を借りて、機械メイドは無事に万博会場へ戻された。
以前は顔の造形が悲しそうだと不評だった。
それが今は、表情がなくなったという噂がたっているらしい。

怪人たちは取り逃がしたものの、ホイヘンス博士は警察に捕えられた。
製造担当のウェイン&ガース。
技術担当のホイヘンス博士。
販売担当の楊宗元。
これで結社の機械兵の入手ルートは、完全に断つことができただろう。
倫敦も少しは静かになるかもしれない。

「悪いヤツっていうものは、こういう時に大変なことをするものなんだよね」

エヴァレット先生は、さわやかな笑顔で怖いことを言う。
そう、まだ終わってない。
でもアイツらが何か仕掛けてくるのなら、今回のように先手を打てばいい。
ボクにはヴァージルさんがついている。
アリエスだって、”相棒”だって力になってくれる。
それに、エヴァレット先生がいれば怖いモノなんてないんだ。


Episode.16 ~機械仕掛けの魂~ END

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