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ゲーム日記:倫敦精霊探偵団 Episode.18

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ゲーム日記:倫敦精霊探偵団 Episode.18

~前回までのあらすじ~

19世紀、蒸気機関の発明により、めまぐるしい発展を見せる倫敦。
少年は、名探偵エヴァレットの弟子として探偵業を営んでいた。
順風満帆に思えた彼の人生は、ひとりの探偵との出会いにより
大きな陰謀に巻き込まれてしまうのであった。
そして今・・・
その陰謀が倫敦を支配して、少年たちの前に立ちはだかる。


怪人結社によって占拠された倫敦。
天才探偵エヴァレット氏を人質に取り、倫敦統治権の委任を求めてきた。
世界征服を目論む怪人結社との戦いに、エヴァレットの弟子たちが立ち上がる。

第十八話 ~最後の事件~
しとしとと、雨が降っていた。
まるで倫敦が泣いているような、悲しみにつつまれた雨だった。

エヴァレット先生が処刑される―
怪人結社の統領マシナリータの演説は、世界への宣戦布告だった。
もうボクの力ではもうどうすることもできない。
そんな途方に暮れるボクの前に、詰め寄ってきた女の子がいた。
彼女は傘もささず、真剣な顔でボクを見つめている。

「・・・あたしたち、エヴァレットさんの弟子よね?」

そうだよ、アリエス。
ボクたちは英国が誇る天才私立探偵エヴァレットさんの弟子だ。
わかってる・・・言いたいことはわかってるよ。

「あたしたちは助ける義務があるの。さあ、腕の見せどころよ!」

やっぱりキミは探偵には向いてないよ、アリエス。
激情に流されて行動するキミにいつも振り回されてばかりだ。

だけど・・・
今までそうやってボクたちは乗り越えてきたんだよね。
わかってるさ。
そびえ立った巨大な機械の塔を見上げ、ボクは一歩踏み出す。

アリエスはボクが守るから。


エヴァレット先生が処刑されるまでの残りリミットは18時間。
万博会場の裏手に出現した結社のタワーはあまりにも巨大だ。
最上階までたどりつくまでに相当時間がかかりそうだ。
当然、怪人結社に邪魔されるだろうから一刻の猶予もない。

後先考えてるヒマはない。
ボクたちは急いで万博会場へと向かった。
しかし、ボクたちの行く手を遮ったのは意外な人物だった。

スペクター「君たちに恨みはない。しかしここを通すわけにはいかん」


結社のタワーへと繋がっている展望台エリア。
この道を通っていくしかタワーへ入るすべがない。
それなのに、どうしてスペクターがボクたちのジャマをするんだろう?

力ずくで対決を試みるものの、スペクターの強さは異常だった。
イリュージョンの使い手を相手に指一本触れることができない。

スペクターの行動は明らかにおかしい。
通してくれない理由を頑なに教えてくれない。
まさかこんな事態に陥るとは思ってもみなかった。
こうなったら別のルートを探すしかない。


展望台を降り、大ホールの人工太陽前に戻ってきた。
すると・・・
見覚えのある赤い帽子をかぶった女の子が走り抜けていった。

「こらっ まてっ!」

カシャンカシャンと奇妙な音を立てながら、2人の人物が現れた。
アイツらは・・・
怪人結社のジャンピングジョー&ジェニーのマヌケコンビだ。
驚異的な跳躍力を生み出すバネシューズで女の子の後を追っているようだ。
・・・建物の中じゃ逆に動きにくいだろ。
いや、今はそんなことどうでもいい。
あの女の子はスペクターの孫娘マリアちゃんに違いない。
とにかくボクたちも後を追わないと!

マリアちゃんの声がするほうへ追いかけていく。
水族館エリアへたどり着くと、そこにはジャンピングJ&Jたちがいた。
こいつらはしょせん結社の小物。
囚われているマリアちゃんを守りながら、結社員をあっさりと倒した。
結局ジャンピングJ&Jには逃げられたけど。

マリア「おねえちゃん! おじいちゃんは?」


ボクたちはマリアちゃんを連れて、展望エリアへと向かった。
スペクターは孫娘を人質にとられたので結社に力を貸していたようだ。
非道極まりないやり方に、アリエスは怒りは爆発寸前だ。
どうやら怪人結社とは交渉の余地はなさそうだな。

「アイツらぜーったい許さない!アンタたち行くわよ!」

余計なタイムロスも響き、処刑まで残り半日。
結社のタワー内部は行く手を阻む装甲兵が何度も立ちはだかる。
それでもボクたちは走り続ける。
雨は止み、すでに夜は明け約束の時間が迫っていた。


―――――――――機械の塔最上階制御室―――――――――

ヤング・ゴースト
こ、こんなことになるなんて・・・
わたし、世界を滅ぼす手伝いをしちゃうの?
怪人って、そーゆーものなの??

ズイッヒェル
気分はどうかね?エヴァレットくん。
『あんまりよくないね。キミたちはみんなこうして寝てるのかい?』
ほう、たいした奴だ。
この状況でそんな減らず口が叩けるとはな。
じゃあお願いがあるんだけど、せめて逆さまはなんとかしてくれないかな』
心配するな。すぐに気にならなくなる。

― 宣戦布告の演説から24時間が経とうとしていた ―
― 結局、政府当局は沈黙を続けている ―
― ナメられたものだ ―
― 私はこの倫敦を・・・―
― いや、この世界すべてに破壊と混沌をもたらしたいだけだ ―
― 楊宗元とウェインを失った以上、もはや戦備を整える余裕がない ―
― これでいい ―
― これは復讐なのだ ―
― 私をこんな体にした、世界への復讐なのだから ―

マシナリータ「ズイッヒェル時間だ。始めよう。」


エヴァレットの処刑がはじまる。
つるし上げられた彼の前に、装甲兵が重い銃を向けた。
吹き荒ぶ冷たい風が、彼のブロンドの髪を激しくなびかせる。

「まちなさーいっ!!」

― まさか本当に最上階までたどり着く者がいるとは思わなかった ―
― しかもそのゲストは頼りなげな子供たちときた ―
― お前たちか ―
― いつも我々の邪魔をしていたと報告があった連中とは ―
― エヴァレットの弟子というのもまんざらではないということか ―

「エヴァレットさんを放しなさい!これは警告よ!」


― なんとも愉快な茶番ではないか ―
― こんな子供に脅迫されるとはな ―
― これは子供の遊びではないということを思い知らせてやろう ―

―――――――――――――――――――――――――――――――

なんとか間に合った。
エヴァレット先生はまだ生きている!
ボロボロになりながらも、ボクたちは機械の塔の最上階に到着した。
目の前にいるのは怪人結社のボス、マシナリータだ。

マシナリータがコートを脱ぎ捨てた。
恐ろしい機械の体をあらわにした。
だけど、ボクたちはここで負けるわけにはいかない。
ボクは英国一の私立探偵エヴァレットさんの一番弟子だ。
ヴァージルさんがいなくても、精霊の力を借りなくたって勝ってみせる。

マシナリータとズイッヒェルの連続攻撃を耐え続けた。
アリエスも守り続けた。
“子分”も必死に戦ってくれた。
ボクたちはもう誰にも負けない・・・そんな気がしたんだ。


マシナリータの動きが鈍くなっていく。
機械の体が異常をきたしているみたいだ。
そして、ブリキの人形が壊れるかのように崩れ落ちた。

― なぜ!! なぜ私の邪魔をするのだ! ―

― 私をこんな体にした世界が!! お前たちが憎い!! ―

戦いの影響で機械の塔の地盤が悲鳴を上げていた。
鉄板に打ち込まれていたネジが弾け飛び、床が崩れ落ちていく。

― 復讐を!!! ―

そう言い残し、マシナリータは塔の最上階から落下していった。
後を追うようにズイッヒェルも落下してゆく。
このままではこの場所は崩れてしまう。

アリエス「エヴァレットさんを助けてはやく脱出するわよ!」

エヴァレットさんを救出し、急ぎこの塔を後にしなくては。
なぜかその場にいたヤングゴーストも連れて、ボクたちは脱出した。


これで満足か?マシナリータよ。

わしはヒトに奉仕させるために蒸気機械を作り上げたのではない。

この倫敦を蒸気機械の理想郷にすることが、わしの夢だったのだ。

今こそ、この下らぬ倫敦をすべて焦土と化してくれるわ。


間一髪で、ボクたちは崩れゆく機械の塔から脱出に成功した。
機械の塔はスクラップの山となった。
もはやこの状態では、マシナリータたちは生き延びることは不可能だ。

トップを失った怪人結社は事実上消滅したといっていい。
ただ、ジャンピングジョー&ジェニーは捕まっていない。
でも、エヴァレット先生は「ただのチンピラ」だから心配無用って。

ボクたちの隣では、スペクターの説教が延々と続いていた。
結社に利用されていたヤング・ゴーストは、事の重大さに茫然としている。

「前にも言ったはずだ。怪人とはな・・・」

ボクたちって、世界を救ったんだよねえ。
なんだか拍子抜けの光景を目にして、どっと疲れがこみあげてきた。
マリアちゃんを連れて、ボクたちは万博会場を後にした。

「怪人とはな・・・」

スペクターの説教は夜更けまで続いたという。


Episode.18 ~最後の事件~ END