カワイイ娘ニハ旅ヲサセヨ

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ゲーム日記:倫敦精霊探偵団 Episode.15

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ゲーム日記:倫敦精霊探偵団 Episode.15

~今回の語り部~

アリエス・アイヴォリー

最近のわたしはご機嫌ななめ。原因は全部アイツのせい!
ドラゴン騒動を境に、アイツは若手人気探偵の波に乗った。
それもそのはず、『ミス・マーガレット』の新連載が

アイツを主役にした冒険色の強い探偵小説になったから。
わたしも有名になったけど、脇役じゃイヤなの!
エヴァレット先生の一番弟子は、ゼッタイにわたしのものよ。


■怪人スペクター

本名:ウィリアム・ブレイク
倫敦を中心に活動した、古風な価値感に生きる怪盗。
きわめて礼儀正しく、その行動には紳士としての風格が見られた。
4年前に怪盗を引退し、エヴァレットとも友人関係にあるという。

第十五話 ~倫敦の夕日 / 植物園の歌声~
秋も深まり、日差しは少なくなったけど、今日も日傘を持っておでかけ。
大家さんの伝言で、お昼前にエヴァレット先生のお手伝いをすることに。
お仕事の場所は万博会場。
万博が開催されてから起こった騒動は、どれも倫敦に不安な影を落としていた。
それに、ヴァージルは万博の閉鎖を望んでたし。
きわめつけは、先日の精霊界に迷い込んだときのこと。

――世界が消えてしまう。

倫敦では人気探偵になったけど、さすがにわたしには重荷だわ。


色々と考え込んでると、あっという間に万博会場に到着。
会場入り口で待っていてくれたエヴァレット先生
今日は警備のヒトが少なくて人手不足みたい。
不穏な万博のコトを探れるってのもあるし、喜んで引き受けることに。
って、アイツは明らかにめんどくさがってるわね!
ちょっと人気が出たからって調子に乗りすぎなんじゃない!?
いいわ、今日こそは、あ た し が 主 役!
アンタはテキトーについて来ればいいわ。


本日の万博会場は穏やかそのもの。
ピークを過ぎたってこともあり、入場者がちょっと減ってきたみたい。
あら?あのおじいさん・・・どこかで会ったことあるような?

老人「おや、久しぶりだね。きみたちの活躍は耳にしているよ」

(う~ん、思い出せない。アイツの知り合いかしら。)

「ところできみたちはどう思うかね?今の倫敦の街だよ・・・」

― 我々は蒸気の力を手に入れて文明を発達させ、生活も便利になった。
― しかし、大事なことを忘れている。文明の発展に浮かれている。

うーん・・・なんか説教クサイおじいさんね。
だけど、気品ある紳士でいいヒトっぽいし、言ってることは正しいわ。
話は変わって、おじいさんは高台住宅地のお屋敷に住んでるんだって。
なーんだ、ご近所さんだったのね。
そこにおじいさんの孫娘と二人で住んでるらしいの。
遊びに来てほしいってことね。


あんまりラウンジで道草してちゃ警備の意味がないので、次は植物園へ。
ここって不思議よねー。
もう秋なのに、植物は青々としてるし、日射し少なくても枯れないし・・・

女性の声 「泣いてるのね・・・なんとかしてあげたいけど・・・」

え?このお姉さん植物に話しかけてなかった?まるでヴァージルみたい。
わたしはどうしても気になって、お姉さんに話しかけた。
彼女によると、植物の声は聞こえないがこの子たちのキモチはわかるらしい。
じゃあ、『泣いてる』ってどういうことかしら・・・

女性 「最近倫敦の空がどんどん曇ってきているでしょう?」

蒸気スチームの影響で、太陽の光がさえぎられてしまっている。
このままでは植物たちが死んでしまう。
ふーん。そう言えばあのおじいさんも空を気にしてたわね。
だったら・・・
あたしたちがなんとかしてあげるー!
となりではアイツが今回も困り顔。
倫敦イチの美少女探偵、このアリエスに任せなさいってば。


警備は無事に終了。
ただ、機械部門の警備員さんが言ってたことがチョット気になる。
二日前の深夜、植物園から、なにか歌ってるような声が聞こえる ―
気味が悪いけど、またヘンな事件の予兆かしら。

死を告げる歌を歌うという妖精、バンシー。
バンシーの鳴き声が聞こえた家には、近いうちに死者が出る。
死者をむかえに来るとされる恐ろしい妖精・・・
たしか、愛蘭の伝奇でそんな話があったわねー。
未だに不穏な空気が漂う万博、油断は禁物。

今日はこれ以上万博にいても、有力な情報は入手できなそう。
ちょうど時間が空いたし、おじいさんのお屋敷へ遊びにいくことに。


わたしはアリエスよ。・・・あっちのキタナイのは気にしないで♪

おじいさんのお屋敷はすっごく広いお庭がある豪邸だった。
孫娘のお嬢ちゃんはかわいらしくて、とってもいい子。
こんな妹が欲しいわねー。
でも、お嬢ちゃんは体が弱くって、外で遊ぶこともままならない。
原因は、蒸気スチームによる空気汚染。
そのせいでお友達もいなく、おじいさんと慎ましやかに暮らしている。

女の子「おじいちゃんわたし夕日がみたーい!」

お嬢ちゃんは、絵本で読んだ夕焼け空にあこがれていた。
夕日かー・・・確かにしばらく見てないわね。
蒸気機関は夜間の使用量が多いため、夕方になると街中ケムリだらけ。
わたしも最後に見たのは、まだ蒸気機関の登場前だから、5年前かな。
夕方に工場から出るケムリを、ひとときだけでも止められたら。

・・・だったら、工場を止めるようにすればいいわね!


毎日モクモクとイヤなケムリを出してるのは、ウェイン&ガース工業
もちろん、アポなんてとってないわ。
倫敦で人気の”精霊探偵団”の名はダテじゃないわね。
(まぁエヴァレット先生の弟子ってことが大きいんだけど)
そんなワケで、アッサリと社長にご対面できたって寸法よ。
社長の名前はウェイン・キャンベル
どうやらわたしの熱意が伝わったみたい。
意外にアッサリと、今日の夕方だけ操業を停止してくれる約束をくれた。
すぐに工場は停止してくれたみたい。
日が沈むまでの間、倫敦が本来の姿を現してくれることを祈って。
わたしたちは工場を後にしようと・・・


ビルの出入り口に向かったときだった。
・・・アイツらっ!!
怪人結社のズイッヒェル!それに、死体安置所で見た黒幕っぽいヤツ!
“フランシス”って呼んでるわね。
探偵協会の資料では、”マシナリータ”という名前で登録されてたけど。

ズイッヒェル 『装甲兵の生産ラインは順調です。現在マン・オブ・スチームの・・・・・』

ここでキカイの兵隊を作ってるの!?
もしかしてウェインさんもあいつらと手を組んでいるんじゃない!?
急いでアイツらを追わないと。


ヘンタイ 「ユーたち!夕日が見たいなどかこつけてぇ~」

な、なんなのーーーっ!
これって、ウェインさん・・・?
どうやら、怪人結社との繋がりを探りに来たと思われてるみたい。
ただでは帰らせてくれないってワケね。
こっちだって容赦しないわ。
だってこいつ、ただのヘンタイじゃないっ!

数々の強敵と渡り合ってきたわたしたちの敵じゃなかった。
ヘンタイ・・・
じゃなくってウェインさんをギタンギタンにしてやったわ。
コイツが伸びてる間は、工場の操業は停止させられそうね。
結果オーライってやつ?
それにしても、いい人そうに見えても本性はわからないものね。
エ、エヴァレット先生に限っては、そんなことはないわよね・・・


倫敦の蒸気機関の7割を担っているというウェイン&ガース工業。
それでも予備スチーム動力のおかげで、地下鉄は平常運転。
怪人結社に逃げられたのは残念だけど、仕方ないわね。
わたしたちは工場前を出発して、万博会場前の駅へと着いた。
ここは一番にぎやかな駅のはずが、ほとんど人通りがない。
何でも、万博の植物園で異変があり、みんな避難してるみたい。
まさか、バンシーの呪いなの?
今日はホントに忙しい一日になりそう。
ともあれ、急いで万博会場に向かわないと!


警察官が苦手なアイツの“子分”とはおさらばして会場へとたどり着いた。
植物たちが襲いかかり、非常に危険な状態だという。
お客さんは避難させたらしいけど、ひとりだけ逃げ遅れた女性がいる。
もしかして、植物に話しかけていた女の人かもしれない。
会場入口には、ヴァージルが待っていてくれた。

ヴァージル「誰かが・・・なにかを、待っているようだ・・・」

異変を感じて駆けつけてくれたヴァージルと一緒に行動することに。
向かう先は異変が起きている中心、植物園ね!


先日まで精霊界に閉じ込められていたヴァージル。
彼の使役する精霊は、かなり増えたみたい。
これが、精霊探偵と呼ばれるヴァージルの本来の実力なのね。
襲いかかる植物オバケを果敢に排除してくれる。
しかし、植物園にたどり着いたものの、逃げ遅れた女性の姿はない。
どうも植物たちは、天井を突き破り外へ出ようとしてるみたい。
いけない!
このままでは、倫敦中が植物オバケであふれちゃう!
急いで、植物の伸びた屋根上へと向かった。


「あ、あなたたち・・・お願い。もう少しだけ待って・・・」

逃げ遅れたお姉さんが、そこにいた。
待つ?
お姉さんはいったい何を待ってるの?
屋根上まで伸びた植物たち。
なぜだろう・・・とても暖かいキモチがわたしを包んでいく。

「よかった・・・」

あっ、夕日よっ!!
屋根上から見える太陽が、地平線に沈みかけている。
真っ赤なその姿で、倫敦の空を照らし出してゆく。
それと同時に、お姉さんと植物は、徐々に姿を消していった。
ねえヴァージル。お姉さん、どうなっちゃったの?

ヴァージル「大丈夫。これからも・・・生き続ける場所へ・・・」

いつも沈みがちだった彼の顔が、とっても穏やかなに見えた。
だから、大丈夫なんだと思う。
きっと、夕日を浴びたくて、植物たちは動き出したのね。
万博が開始されることになって、建物の中に閉じ込められて。
今なら、わたしにも植物のキモチがわかるわ。

って、わすれてた!夕日!!
はやくあの子の家に行くわよ!


おそらが・・・

まっか・・・

倫敦の街並が、こんなにもきれいだったなんて。

消えていったお姉さんも、どこかでこの夕日を見ているのかしら。
本当は・・・
お姉さんのこと、死者を迎えにくるバンシーじゃないかって。
ちょっと疑ったりもしたけど、そんなんじゃなかった。
消えかかったときの笑顔がそれを証明していた。
そうね。
あのお姉さんは、まるで童話に出てくるラプンツェルのよう。
きっと、その歌声はきれいでやさしいものだったと思うわ。

もうすぐ、サウィンのお祭りの日。
“妖精界と人間界との扉が開く”と言われる日。
だから、また会えると信じて・・・


文明の発達により忘れかけていた、本当に大事なこと。
おじいさんの言っていたことの意味。
ヴァージルの危惧していることの意味。
すべてが繋がった気がした。

きっと、アイツもわかってるんだと思う。
だって、今のままだとゼッタイ後悔することになるから。

太陽は、名残惜しそうに、少しずつ姿を隠していった。

「今日は、夕日だけじゃなくって、おひつじ座も見れるかもしれないわね」


Episode.15 ~倫敦の夕日 / 植物園の歌声~ END

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