PS2:グランディアⅢ
『グランディアⅢ』 2005年発売(スクウェア・エニックス) いまだ見ぬ空の果てをめざして―
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グランディアシリーズに終止符を打つことになった本作。
G1、G2は面白かった。
G2は最後の方でめんどくさくなってやめちゃったけど。
SEGAのコンシューマ機がなくなったことにより、スクエニに魂を売ってしまったゲームアーツ。
そう。
すべての元凶は、スクエニだったと言わざるを得ない。
プレイ終わって思うことはそれに尽きます。
ムービーゲーです。
スクエニはムービーをスキップさせてくれない。
シナリオは・・・確かにひどいと言われても仕方ない。
しかもCVが声優を使わず芸能人で固めたのが最大の悪手。
だから今回は女の子紹介ではなくCVの演技力紹介に徹します。
ユウキ(CV:松風雅也)
GⅢの主人公。
なんでこの世界観で和風の名前?っていう時点で感情移入しづらい。
演技力:★★★★☆
声優ぽい声の出し方をしてるのでそれほど違和感ない。
なにしろこの人はシェンムーの人。
戦隊ヒーロー出身だが、すでに声優の仕事をこなしていました。
OPムービーから漂う世界観は心躍らされます。
幼いころ、伝説の飛行機乗り”飛行王シュミット”の映画を見た彼は、シュミットのように大空を飛ぶ夢を追いかけていた。
世界名作劇場を彷彿とさせる雰囲気と音楽。
これは楽しそうなゲームになる!と思いたくなります。
“大空への憧れ”
このシナリオを軸に青春冒険RPGにすればよかったのだが・・・
アルフィナ(CV:木南晴夏)
GⅢのヒロイン。
世界を司る聖獣との儀式を行う神人(コミュート)の少女。
演技力:★★☆☆☆
このヒロインが声優としては厳しすぎる。
セリフ量も一番多いいんじゃないかってくらいあるが、最後まで上達しない。
どんなに下手でも終盤あたりだと違和感なくなる芸能人はいますが・・・
まあ難しい役だと思いますから仕方ないかな。
玉木宏と結婚した人ですねこの人は。
ちなみに戦闘システムもご紹介。
これは素晴らしい。
セミリアルタイムバトルで展開するコマンド選択型。
PS2のRPGの中で、私は一番よくできた戦闘システムだと思います。
グラフィックも文句なし。
独自のシステムも完璧。
バグは見当たらない。
派手なエフェクトにも一切ラグが発生しない。
PS2の性能限界を突破してますな。
コマンドバトルとしては完成されてる感がすごいです。
気になる点は、フィールド移動で発生するカメラ視点が固まるくらい。
まぁこの頃は利権ヤクザのコナミカメラにみんな悩まされていたから仕方ない。
さすがはゲームアーツ、戦闘システムは満点。
欲を言えば、RPGならではの寄り道や素材集めが欲しかった。
ミランダ(CV:若村麻由美)
さて、シナリオに戻ります。
親友の飛行機作りロッツと共に、フライトユニットを搭載した飛行機が完成した。
ユウキはついに大陸越えを目指して飛び立った。
しかしなぜか出力があがらない。
原因は、ユウキの母親ミランダが乗り込んでいたからだった。
演技力:★★★☆☆
赤いリボンのポニテがかわいいママン。
気の強いキャラ設定で一緒に戦ってくれる心強いママン。
CVの演技は少し違和感があるがそこまで悪くない。
なにしろママンが一緒に戦ってくれるRPGは珍しい。
しかしゲーム起動時のデモムービーでほとんど出ていない。
だからママンは絶対にすぐ離脱するんだろうな・・・
墜落した場所で、追われていたアルフィナと出会います。
彼女を大陸のアークリフまで送るためにママンと一緒に旅立ちます。
コーネル(CV:木下ほうか)
アルフィナを追っている悪役。
左手に巨大な手甲をつけた敵方の一味です。
これはグラディスおばさんに性加害疑惑がもたれていますね!
演技力:★☆☆☆☆
こんなやつが出演していたとは。
今では出演者の中で一番有名なヤツになっちまったな。
コーネルは途中から忘れ去られた存在になった。
エメリウスの手下なのにラストダンジョンでは姿がなかった。
何も語られず舞台から降りたキャラクター。
ちなみにグラディスおばさんのCVは松本海希(旧名:松本じゅん)
演技力は★★★★★あげよう。
たぶん嵐の松潤のせいで改名を余儀なくされたおばさんだと思う。
アロンソ(CV:葛山信吾)
アルフィナを大陸へ送る途中に浜辺で出会った自称船乗り。
こいつがとんでもない男
演技力:★★★★☆
主要キャラの中で唯一CVに違和感がなかったのはこの男だけ。
だがしかし、とんでもないクズ野郎だったのです。
1・アルフィナの大切な神人のブローチを盗む
2・それを元手にギャンブルをはじめる
3・見事に負けて、明日は絶対勝つ!信じてくれ!と言い出す。
これになぜかアルフィナが共感を受ける(意味不明)
これには苦笑を通り越して噴き出してしまった。
序盤はグランディアらしさを意識しすぎたのか、コメディシーンが多い。
だからと言ってそんな高度な笑いにはついていけん。
ビアンカ(CV:水木薫)
そんなクズ男アロンソに惚れている賭博場の女主人。
この特殊なコメディキャラはwikiにも載ってない。
演技力:★★★★☆
声優経験のない人だと思うのですが、やっぱベテラン女優は格が違う。
実際にはイカサマがバレて逃亡するハメになる。
その後行方をくらますが、中盤の村で彼女の顔の看板が出現する。
ブローチと船を取り返したアロンソは、約束通りユウキたちに船を出した。
でもこの男に対してママンの反応は、この顔である。
なのに・・・
どうしてなの?ママン・・・
ウル(CV:柴木丈瑠)
船の上で出会った獣人族。
飛竜シバに乗り、飛行機を使わずに大空を翔る。
後ほど仲間になり、最後まで一緒に旅を続けることになる。
演技力:★★★☆☆
ウルの協力もあり、ユウキたちはアークリフ大陸にむけて再出発する。
そして、ウルは飛行王シュミットの知り合いだった。
ユウキは憧れのシュミットに会うため、手土産のレムの実を探しに行く。
しかし、そこでバーススフィアが発生してしまう。
ユウキとアルフィナは異世界に巻き込まれてしまった。
ヘクト(CV:前田綾花)
生命の息吹が枯れたガラスのような世界、バース界。
そこにただ一人、バイオリンを弾く幼女がいた。
演技力:★☆☆☆☆
この幼女が最終章で仲間になるキーキャラ。
感情をなくした幼女を演じるのは難しい。
モデル上がりの女優気取りにこの大役を任せるとかどうかしてるぜ。
幼女ヘクトちゃんに助けられて現実世界に戻ってこられたユウキたち。
ママンとの熱い抱擁が待っていた。
やっぱママンがヒロインのほうがいいゲームになったんじゃね?
飛行王シュミット(CV:木場勝己)
ユウキの憧れた飛行王は、偏屈オヤジになっていた。
ある事件が原因で自ら空を飛ぶことをやめた彼は技師に徹していた。
演技力:★★★★☆
CVは金八先生で校長先生をしていた役者のようです。
終盤のシナリオで突然の大泣きシーンがよかった。
てかこいつが主人公のほうがいいわ。
ユウキの熱意にシュミットが応えてくれた。
ユウキの設計した20号機がついに完成した。
飛行王シュミットの力作、これがあればアークリフ大陸まで飛べる ―
それは、ママンとの別れを意味する。
ママンは子離れを決意する感動のシーン。
こうゆうのでいいんだよ。
このシナリオの流れこそ和ゲーの得意とするところ。
飛び立ったと思ったユウキだが、旋回してママンに最後の言葉を叫んだ。
『お母さん』
今までママンのことをミランダとしか呼んだことのなかったユウキが、別れの時に母と呼んでくれた。
泣き崩れるママン・・・
うそだろ・・・
ソノオトコハヤメテオケ
これがGⅢ最大の失敗だろうな。
直前にあった船の甲板でのユウキとアルフィナの謎会話も相まって、シナリオを汚してしまった気がしてならない。
本作は”空”のテーマと同様に、”愛”のテーマを平行して進んでいく。
これがよくない。
OPからあふれる少年の空に憧れる冒険感に対して、愛というテーマが邪魔している。
事実、ここから先の展開では、空に対するシナリオは薄れてしまう。
アルフィナがメインになり、終盤までシナリオから青春冒険活劇感がなくなってしまった。
ヴィオレッタ(CV:坂上香織)
アークリフ神殿にたどり着いたユウキとアルフィナ。
コミュートとしての聖獣との儀式が始まる。
しかし、そこにはエメリウスの手下の姿が・・・
演技力:★★☆☆☆
デスサイズで攻撃してくる彼女にはかなり苦しめられた。
中盤になると物理攻撃タイプはあまり活躍できない。
なにやら不穏な空気が漂いながら、聖獣が姿を現すのだった。
聖獣グリフ(CV:倍賞千恵子)
世界を司る聖獣のひとり。
アルフィナに宣託を授ける。
演技力:★★★★★
主要キャラじゃないので声優の人があててると思ってました。
倍賞千恵子、さすがは大ベテラン女優。
聖獣は全5体出てきますが、グリフだけ紹介することにします。
エメリウス(萩野崇)
アルフィナの兄であるエメリウスが現れ、聖獣を殺してしまった。
10年前にアルフィナの前から姿を消してしまった彼は闇の力を手に入れていた。
演技力:★★★☆☆
のちに声優の仕事も少ししているようですが、あまり上手いとは思えないな。
ここから先はアルフィナのブラコンが発症してしまう。
“空”がテーマだったシナリオが、”兄妹愛”メインのシナリオになってしまう。
アルフィナがひどいブラコンでイライラしますね。
“愛”がテーマのシナリオ部分は、私は好きじゃない。
“空”の青春シナリオをくれよ。
ダーナ(CV:吉野紗香)
残る聖獣に会いに行くことになった一行。
砂漠の町に聖獣がいることを知ったユウキはバクラ遺跡へ。
そこでようやく登場したおっぱい姉さんのダーナ。
演技力:★☆☆☆☆
吉野紗香?グラビアアイドル風情に声優の仕事やらせてんじゃねえよ。
こんな下手なやつが主要仲間キャラとか・・・
おっぱいの無駄遣いとは正にこのことだ。
魔法キャラだから毎回戦闘で棒読み詠唱を聞かなきゃならん。
反省しろスクエニ。
マジで。
デュンケル(CV:笠原紳司)
そんなダーナ姉さんには恋人がいた。
序盤からアルフィナに忠告していた謎の男デュンケル。
友人だったエメリウスの暴走を止めるために一人動いていた。
演技力:★★★☆☆
声は淡泊だが悪くない。まあそんな難しい役じゃないし。
ルイリ(CV:非公表)
ダーナ姉さんの妹、ルイリがこのゲームで最も印象に残ったキャラになった。
演技力:☆☆☆☆☆
こいつがひどかった
ダーナがユウキたちと旅立つことになる別れのシーン。
それは、笑ってはいけないお別れ会の幕開けだ。
このシーンは破壊力あったな・・・
なにしろダーナ役の吉野紗香が超絶棒なのに、それに輪をかけてルイリがひどい。
腹筋ピクピクさせながらなんとか声出して笑うのを耐えました。
こいつのCVを絶対に知りたいと思いEDを録画したのですが、ルイリだけクレジットされてない。
スクエニ反省しろ
さて、このあとDISK2になるとバース界での戦闘になる。
戦闘がキツくなってきます。
そこでスキル:修羅の魂とバースハンターを生成。
これによって物理攻撃メインの男たちがようやく活躍してくれました。
魔法もド派手なものが増えて楽しいです。
油断すると全滅する可能性も増えてきました。
シナリオは沈んできましたが、戦闘はアツいですね。
真実が明らかになっていき、アルフィナのブラコンも加速してきました。
無を司る闇の聖獣ゾーンの復活を目論むエメリウス。
そんな中、エメリウスとデュンケルが死闘を繰り広げていた。
戦いに敗れて散っていくデュンケルに、見事な棒演技を見せつけるダーナ姉さん。
ちゅっちゅシーンを回収。
そのどぎついアイシャドウはなんだ
ゾーンの復活が始まった。
巨大な繭が空に出現し、アルフィナは攫われてしまった。
兄妹で片方づつに分かれてしまった神人の紋章をひとつにならないと、ゾーンを完全復活させられない。
飛行機で追いかけるユウキ。
しかしゾーンシェルの根が空を覆い、フライトユニットは力を失ってしまった。
空を飛べなくなった飛行機・・・
ようやくここで、”空”のシナリオが戻ってくる。
ロッツ(CV:松尾敏伸)
墜落した場所は飛行機乗りの集う聖地ラフリドの町。
そこで出会ったのは、親友の飛行機技師ロッツだった。
演技力:★★☆☆☆
ロッツは飛行王シュミットに弟子入りしていた。
しかし、フライトユニットはすべて死んでいた。
ゾーンの根で覆われた空の影響だった。
もう二度と空を飛べる飛行機を作れない。
やる気をなくしてしまったロッツとシュミットに、ユウキの激が飛ぶ。
そう、グライダーがあるじゃないか。
軽快なBGM
みんなの笑顔
やっと”空”がテーマのシナリオが戻ってきた!
もうラストダンジョン手前だけど。
グライダーは墜落したが、ユウキは雪山の中でネックレスを見つける。
それは、昔シュミットが愛した女性の遺品だった。
飛行王と呼ばれた英雄が空を飛ばなくなった理由が明らかになる。
そして、ユウキのために空を飛ぶことを決意する。
フライトユニットのなかった時代の伝説の機体 ―
シュミットは墜落を承知でユウキたちをゾーンシェルまで連れて行った。
自分の命と引き替えに。
お前が主人公や・・・
グランディアⅢはシュミットが主人公なんだ。
おっさんが主人公のJRPGって最高じゃないか。
グラウ(CV:川上泳)
最終決戦です。
本当の黒幕がエメリウスを殺し、ゾーンの力を手に入れようとします。
しかし、あっけなくゾーンに殺される。
演技力:計測不能
出番なさすぎるあっけない黒幕に★をつけることはできず。
全体的にキャラの設定が見えてこないシナリオでしたね。
最初にアルフィナが追われていた理由も疑問。
神人なのにアークリフ大陸にいなかった理由も不明。
途中で忘れ去られたコーネルの設定も疑問。
ママンが駆け落ちしたその後も不明。
ヘクトが実は神人だった過去も不明。
いろいろモヤモヤするけれど、晴れてエンディングです。
主人公がスギちゃんになっちゃった。
二人の間にはかわいいショタが誕生。
大空を夢見るショタEDとなりました。
“空”のテーマと”愛”のテーマ。
空シナリオのほうを重点的に展開していれば熱いRPGになれた作品ですかね。
ヒロインが重度のブラコンでメンヘラなのが冒険感を削いでしまっていると思いました。
まあ全体的なシナリオ自体は悪くないと思います。
問題はやはり声優ですね。
ちなみに主要キャラで一人だけ声優の茶風林を起用しています。
ただ、うめき声しか発しないネクロマンサー役です。
グランディアシリーズを殺したのは、まぎれもなく声優排除のキャスティング。
声優が演じていれば、シナリオ批判はそこまでなかったような気がします。
さすがにママンの駆け落ちは厳しいですが
でもまあ面白かったです。
さすがはゲームアーツ。
戦闘システムは素晴らしかった。
それに尽きます。
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