カワイイ娘ニハ旅ヲサセヨ

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雑記:この晴れた空の下で

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ゲーム雑記:この晴れた空の下で

『この晴れた空の下で』(PS2/DSiウェア)

2005年発売(スターフィッシュ)
ジャンル:SF恋愛アドベンチャー

現在からそう遠くない未来。
新たな労働者として生まれた人工生命体『ミミック』。
黒羽玲一はそのミミックの運用を管理する
保険公社の調査員として働いていた。
その中で「ミミックの自殺」という事件が発生する。
しかしそれは、ミミックに関する大きな陰謀の一部に過ぎなかった。

高円寺女子サッカー、秘密~唯がいた夏~、しろがねの鳥籠・・・
これまでゲーム業界の問題児「スターフィッシュ」の作品を堪能してきました。
そして今回またしても見つけてきたのが問題児。
『この晴れた空の下で』

パッケージにメガネちゃんが存在感あふれる作品をゲット。
てことはもちろん、メガネちゃんを愛でていきます。

説明書はスターフィッシュ作品では恒例の白黒印刷!
ギャルゲーとしては致命的ともいえる不親切なシステム面!
逆にテンション上がります


今回はメガネっ子浅葱夕ちゃんルートを、思う存分書きたいと思います。

地球は環境破壊の末、有害な紫外線と強酸性雨によって人類は太陽の下から追われた未来。
人間は、生きるために生活の場を夜に移行した。
人間に代わって昼の世界に現れたのは、労働力として生み出された人工生命体 ― 『ミミック』という存在である。
いわゆる”ヒューマノイド”もような存在です。
“バイオロイド”という表現に近いのかもしれません。

人に服従し、有害な環境耐性を持つミミックは、瞬く間に普及していった。
同時期に開発が進んでいた、自立行動式人工頭脳 ―
いわゆる”AI”を搭載したロボットのほうが現実的だと思われた。
だが、人間はAIではなくヒューマノイドを選択した。

人類は、AI ― 人工知能による反乱を恐れていたからだ。
AIの脅威に脅えた人類は、絶対服従である『ミミック』を便利な道具として選択した。

よくある近未来作品の設定ですね。
ですが、本作はこれまで私が遊んだこの手の作品で最も優れた世界観とシナリオでした。
スターフィッシュを甘く見ていた。


ミミックは人間の不利益になる行為は絶対しいようプログラムされている。
生物ではなく道具として認識されている。
言語機能は与えられていないので言葉を発しない。
人間の世界そのものを守るために行動することを最優先する従順なロボットだ。

絶対服従の”生物”であるであるが、道具として扱われすぎることには問題がある。
人間と変わらない容姿をしているが、ミミックを殺しても罪には問われない。
しかし、彼らが生命体であることには変わらない。
だからミミックの体液は赤色に作られている。
人間が意図的に破壊したときに罪の意識を植え付けるためだ。
さらに、生存期間が10年間という寿命も設けられていた。
これはロボットではなく”生物”であることを認識させるためである。

ただ、ミミックは機能停止しても新しい個体にデータを移せる。
ミミックには死の概念がないのだ。

それなのに、ミミックが自殺するという事件が起こりはじめる。
特殊保険調査公社で働く主人公の黒羽玲一は、その原因調査に向かう。
本来ありえないはずの「自殺」という行動は、ミミックの存在自体を揺るがしかねない問題だ。

あっという間に長文になってしまい、本来の私の記事らしくないですね。
私にこれだけ書かせるということは、いい作品だったということです。
特に難しい用語を乱発したりせず、わかりやすい文章で助かります。
すんなりと頭に入ってくる世界観。
現実味のある未来を想像させられる点も大きいです。
パルスのファルシのルシがコクーンでパージ
みたいな、どこぞのRPGの用語乱用するシナリオはクソだと痛感しますね!

やっと私らしくなってきたので女の子紹介しますか。

 


緋川双葉(ひかわふたば)

ミミックを最初に開発した緋川博士の孫娘。
バイオウェル社でミミック研究・開発に携わるクールな才女。
宇宙で生活していたが、ミミック自殺の調査のため地球に来ていた。

 


浅葱夕(あさぎゆう)
主人公と同じ保険公社で働いている玲一の幼馴染。
頭脳明晰で優秀だが、玲一に恋心を抱いているため同じ公社に就職した。
世界トップクラスのハッキング能力を持っている。

 


ラピス&ラズリ
新たに”会話”能力を与えられた最新型のミミック。
常に二人で行動し、明るく、無邪気。
だがどこか人工的なにおいがする。

 


プリシラ
美しい外型と不思議な能力を持つ謎のミミック。
本来は成人の体格になるまで活動しないミミックにとって異質な存在。
数多のミミックたちに意思を伝播させることができるマザー体である。

 


興猫(ふうなお)
体に武装を内蔵させている戦闘用ミミック。
バイオウェル社が軍用に製造したと思われる個体。
テスト運用中に行方不明になっていた。

 

主な女の子はこの5名。
興猫ちゃんはヒロインじゃないかもしれませんが。
まあ本作はギャルゲーだなどと思わないほうがいい。
(システム面もアレだしギャルゲーとしては楽しめないと思います)
もはやその次元の作品ではないと思うのです。

でもせっかくメガネちゃんがいるのに指をくわえて獲物を逃すような私ではない。
しかも今回のメガネっ娘のユウちゃんはなかなかの上玉。


スタイルも抜群です。
おさななじみEDはギャルゲーの王道ですからね。

なんて考えてプレイしたら痛い目に遭う

いやもう最初に結論から書いちゃおうかな。
このゲームはギャルゲーなんかじゃなかった。
ユウちゃんルートは、ほぼバッドエンドだわ・・・


双葉ちゃん死亡


ラピス&ラズリちゃん死亡


興猫ちゃん死亡

プリシラちゃんに至っては凄惨すぎてCGすらない。
生き残った女の子はユウちゃんだけという悲惨な結末。

かなりエグい結末でした。
パッケージに例のグロテスク・暴力シーンありの▲マーク付き作品。
四肢を切断されて機械の体にされたアクアマリンちゃんとか悲痛です。

いきなり結末を書いてしまいましたが、ここからは文章地獄なので別に読まなくてもいいです。

 

『この晴れた空の下で』

主人公の黒羽玲一は事故などで死亡したミミックの調査員。
保険金目当てでミミックを意図的に破壊する人間がいるため、
機能停止直前のミミックの映像をスキャンできる機械を持っている。

ミミックの精神にもぐりこむため、通常の人は精神をやられてしまうケースがある。
しかし玲一はこの作業に長けており、ミミックに同調する能力が高い。
さらに、彼はミミックの精神に『いろ』を感じることができる。
ミミックが感じた恐怖や苦痛などを、色で感知するのだ。
おそらくこれは共感覚(シナスタジア)の類だと思われます。
そして、ミミックの死の直前に映し出される謎の映像を知っている。
それはすでに地球に存在する生物が見ることがなくなった景色 ―
どこまでも青い、晴れた空だった。

そんな彼のもとに飛び込んできた奇妙な依頼。
それが、自殺したミミックの調査である。

複数の自殺のケースは、どれも飛び降り自殺。
どのケースも人間が意図的に突き落とした形跡はない。
飛び降り自殺の場合は損壊が激しく、スキャナーで記憶を取り出せない。
玲一にできることは、所有者の取り調べくらいだった。


その結果得られた有益な情報はほとんどなかった。
ただひとつの共通点を除いて ―

“自殺したミミックは人間に愛されていた”

それは所有者に必要とされていた、能力が高かったということになる。
だとしたら、自殺という手段をとる意味がわからない。

ミミックの研究開発を行っている双葉の協力によりわかってきたことがある。
それは、ミミックに個性が宿っているということ。
販売可能な段階で、ある程度設定された知能、個性をいきなり持っている状態で生産される。
それが後天的な経験や学習で、個体が様々な個性を獲得していくという。


では、

ミミックに”魂”が存在するのか?

調査が行き詰ったところで、宇宙コロニーにあるバイオウェル社から連絡がくる。
試作段階の最新型ミミックを介して原因を調査することになる。

ここで宇宙の苦手な浅葱夕とは離れて調査することになる。
玲一は双葉と一緒にスペースコロニーへと向かうことになったが・・・
その途中で興猫というミミックたちに襲われることになる。
ミミックが人間に危害を加えるという事実に旋律する玲一たち。


ミミックには人間に危害を加えないという絶対的な『制約』がプログラムされている。
その『制約』ですら疑わしくなってきた。
それに、興猫は会話機能を有していた。
それはバイオウェル社の最新型ミミックであることを意味する。
玲一たちは不信を抱きながら、宇宙へと飛び立った。

玲一に与えられた最新型ミミックには会話機能が搭載されていた。
ラピスラズリだ。
玲一は彼女たちをパートナーとして、ミミックが自殺する可能性を調べる。
ミミックの心理 ―『こころ』を知るために。

彼女たちは、死ぬという概念が理解できない。
機能停止しても新しい個体を配備できるミミックは個体に依存していない。
すべてはデータの転用によりボディが与えられるからだ。
彼女たちには人間でいうところの個性、自我の喪失を恐れていない。


ただ、もし人間にとってミミックが不要な状態になるのなら個体を排除する ―
つまり自殺するメリットはあるのかもしれない。
「自分が死ぬことによって人間が助かる」のなら自殺する可能性があるのかもしれない。
という、あいまいな回答しかかえってこない。

ミミックにとって、人間を守ることが全てにおいて最優先に作られている。
だとしたら、危害を与えてきた興猫というミミックの疑問が残る。
あきらかに殺意を持って攻撃をしかけてきた。
考えられる要因、やはり生産段階でのプログラムが異なるのでは・・・

地球にいる浅葱夕から連絡があった。
彼女はバイオウェル社にハッキングをかけて調査をしていた。
その結果は、バイオウェル社が軍用の戦闘ミミックを開発しているという事実だった。
そのミミックが調整段階で謎の失踪をしていることが判明した。

バイオウェル社に不信が募る中、玲一は不思議な光景を目にする。
ホログラムのように現れた幼いミミック、プリシラ

言語機能が発達していないのか、彼女の言葉は文法もバラバラで捉えにくい。
ただ、自殺したミミックのことを伝えようとしていることはわかった。
彼女は玲一に何かを伝えようとしている。


事件は突然起こった。
プリシラがラピス&ラズリを介してアラートを送ってきた。
「危険です ―あなたに ―だいじな、 ひと―」
双葉を助けてあげてほしいというメッセージだった。

双葉は最新型ミミックに襲われていた。
人間の何十倍も腕力があるミミックの襲われてはなすすべがない。
「この社会 ― 人間を含めた世界そのものを守るための行動です。」
双葉を殺そうとしているミミックはそう言った。
双葉を殺すことが、全てにおいて優先されねばならない条項だという。

突然その場に、バイオウェル社開発主任の阿国が現れた。
そして、ミミックを射殺したのだった。
突然の出来事だった。
ご丁寧に頭部のメインデータを完全に破壊されていた。
これではスキャナーで彼の考えていたことが確認できない。
この阿国という男が、裏で糸を引いている人物ではないかと疑うようになる。
夕の情報によると、この男が反ミミック主義者だと推測されるという。

玲一は破壊されたミミックのスキャンを試みる。
なんとか拾えた映像からは、直前に双葉と会話していた様子が写しだされた。
音声は壊れていたが、ミミックが発した言葉のデータは拾うことができた。

「人間がわたし ― たちを調べることは何も問題ありません

しかし・・・あなたは別だ

玲一はそのミミックから『いろ』を感じ取った。
とても深い、悲しみの色だった。

玲一は双葉にプリシラの存在を打ち明かす。
他のミミックを介して声を伝播するプリシラの存在を肯定するのならば、
ミミックたちにとって神に該当しかねない存在である。
それは、完全に人間の手を離れて進化を成したということになる。
人間にとって脅威である。
さらに、コロニー内部に社員の双葉ですら知らされていない区画があることが判明する。
そにこそ、軍用ミミックに関するブラックボックスがあると踏んだ。


阿国のIDカードを盗み出し、その区画に潜入した玲一。
そこで彼が見たのは、以前にホログラムで現れたプリシラだった。
何か月もの間、特殊な器具で拘束されていた少女。
目、口、耳、すべての感覚を遮断されていた。

プリシラはすべてを見通していた。
玲一はもちろん、双葉を襲ったミミックのことも”見えていた”ようだ。
双葉を襲った個体は、常に冷静で問題のある個体ではなかったという。
そして・・・何よりも人間をミミックを愛していたのだという。

突然、警報が鳴り響いた。

侵入がバレた様子ではない。
もっと緊急の、不測の事態が発生したような慌てようだ。

「アクアマリンと呼ばれる個体が暴走しました」

プリシラはそう言った。
その個体はコロニーを破壊する目的を持っており、酸素循環施設を占拠しているという。
しかし、そのアクアマリン自体の意思ではない ―
その命令に逆らうことができない状況に陥っているという。

彼女を救ってほしい。
そうプリシラは玲一に告げた。

アクアマリンが占拠した酸素循環施設には、地獄のような光景が広がっていた。
重火器を持った人間の死体で埋め尽くされていた。
体は引きちぎられ、内臓が散乱する現場に、血まみれの大型ミミックがいた。


彼女は泣いていた。

四肢を途中で切断され、軍用ミミックに改造された少女だった。
人間を傷つけたくない ― しかし、その体が拒絶できない。
壊れてしまった彼女の精神を、玲一が助け出す。

抵抗をやめることができた彼女に待っていたのは、あまりにもむごい仕打ちだった。
バイオウェル社は特殊部隊を投入して彼女を殺した。
はじめて玲一は心の底から人間に憎悪を抱き、怒り狂うのだった。

酸素循環施設が破壊されたコロニーは、徐々に酸素を失いつつある。
一刻も早く、地球に帰還しなければならない。

浅葱夕の力を借りて、なんとか地球に戻ってこれた玲一と双葉。
玲一はコロニー破壊の容疑者とされており、逃亡生活がはじまるのだった。

とりあえず、ここまでが共通ルートでした。

結局、ユウちゃんルートでは緋川双葉の真相は明かされませんでした。
ミミックを解放する者だというミミックの始祖ミツルギの存在も謎のまま。
ユウちゃんルートで判明したことは、首謀者は阿国だったということ。
プリシラが生まれた真実も謎のまま、凄惨な殺戮シーンがやってきてしまった。

事件は未解決のまま終わったことになる。

ただ、『ミミックの自殺』に関しての原因は見えてきた。

ミミック自殺の推察

ミミックの自殺は、人間が後天的に設けた制約のひとつだという。
人間はミミックの成長、進化の可能性を恐れた。
だから、人間はミミックの制約に次のことを設けていた。

『急速に成長・進化することの禁止』

というプログラミングを設けられていた。
本来なら自らの成長を制御することでミミックはこれまで通り生きてきた。
だが、人間の愛情によりミミックの急成長は制御できなくなった ―
その結果、それよりも下位の『制約』・・・
『自己の保存の制約の解除』というプログラムが、もっとも単純で確実な制約の守り方だった。
だから自殺という手段を選択した。
急成長してしまったミミックは、人間の脅威となりうる。
高所からの投身自殺でデータを破壊させれば、別の個体での転用はできない。

自殺の概念すらなかったミミックは、この手段を取らざるを得ない状況になって初めて死の概念が生まれる。
玲一に好意を抱いてくれたラピスとラズリも、このようなことを言っていた。


ミミックが人間にとって不必要な状態であるなら、個体を排除するメリットがあるのかもしれない。

あまりにも悲しくあまりにも苦しく切ない手段。
ミミックは、どこまでも人間に危害を及ぼすことがない生物だったということだ。

 

人間の愛情がロボットの急成長のトリガーとなるという発想。
この世界観には感服いたしました。
シナリオはちょっとおかしな箇所があったりしますが。
テキストもクセがあり、”ともあれ”を”とまれ”と連発したり、”塩梅”を”按配”と連発したりします。
それを差し引いても、この世界観はかなり評価高いです。

だから、本作も高級食材を料理しきれていない作品ですね。
『しろがねの鳥籠』に続き、スターフィッシュはもったいない作品が多い。
今考えると『秘密~唯がいた夏~』も尖った作品だが光るところも多かった。

まあ『高円寺女子サッカー』は別として。

 

 

あ、忘れてた。
ユウちゃんとのちゅっちゅ、今回もミッションコンプリートです。

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コメント

  • 「この晴れた空の下で」ですか。
    プリンセスソフトの半ば「得意技」でもあった「18禁逆移植」を行った数少ない作品として記憶に残っていますが(「あすか120%」のように、よりによってメーカー公認でR-18ソシャゲとコラボするという(しかもゲーム内容に合わせたHシーン搭載、という前代未聞な)事態の後では18禁逆移植など可愛いレベルに思えますが)、Hシーン以外の部分でも流血表現などの18禁な部分が多いようですね。
    販売された2005年にはコンシューマギャルゲーも衰退期に入り、わざわざレビューをしてもアクセス数は稼げないためすぐに積まれ、あの頃から手軽に楽しめ、レビューも書きやすいライトノベルや深夜アニメにシフトしていったため、「この晴れた空の下で」はまともにレビューしているサイト自体がレアでした。
    そうした背景を含めても貴重なレビュー、ありがとうございました。

    ニンテンドーeショップでも以前にレビューされた「しろがねの鳥籠」共々ダウンロード販売されていますが、2023年3月にニンテンドーeショップは終了するため、レビューで興味を抱かれたプレイヤーは早めにダウンロードしておくと良いかもしれません(念のため注意喚起)。

    by M1号 2022年5月5日 8:37 PM

    • 貴重な情報ありがとうございます。
      半分以上DSiウェア配信終了しているソフトがありましたが、超プレミアソフト『コロぱた』のDSiウェア配信が生きてました。3DSもまだまだ現役で活躍してくれそうです。
      この機会を逃すと二度と遊べないのでみなさんも是非!

      by retrogamejaxx 2022年5月6日 4:35 AM

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