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セカンドフライト

  • Posted by: 連射太郎
  • 2006年8月13日 15:08

■1996年9月9日

色々な意味で思い出深い夏休みも終わり明日から修学旅行だ。

旅行先は今年の夏合宿地と同じ北海道。
宿泊先が別とはいえ、僅か2ヶ月のスパンに
日本最北端に2度移動するとは学生の身分にして
何とも壮絶なスケジュールである。

俺は早速明日からの修学旅行に備え、
日数分の着替えと、歯ブラシタオル等の日用品、
そして防寒具一式+ホカロン数点をリュックに詰め込み
就寝についた。
 
 
 
 
 
 
 
 

そして就学旅行当日。
俺は制服に着替えると前日に用意したリュック背負い
部屋の前に堂々と吐かれた飼い犬のゲロを
避けつつ集合地である空港へと急いだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そして場所は変わって羽田空港。
集合場所の空港ロビーでは各々クラスの旗を目印に集まり、
班同士で談笑してる所だった。
良かった、少し遅れたがどうやら遅刻はしてない様だな。

そうそう、俺は確か好雄と同じ班になったんだ
もう一人は知らない奴だったっけ。
 
 
 
えーと、好雄、好雄…と。
 
 
 
と、俺がクラスの前をキョロキョロと探し回っていると
向こうから好雄の掛け声がした。
 
 
 
 
 
 
好雄
「おーい、浩二ー!」
 
 
 
 
あ、居たぞ好雄だっもう一人は俺と同じ班の奴か。
と、俺は小走りで好雄の下に近づき軽く挨拶をした
 
 
 
 
 
 
 
 
浩二
「おっす、おはよう」
 
 
好雄
「よお、おはよう浩二。遅かったじゃないか」
 
 
???
「おはよう浩二君」
 
 
好雄
「あ、紹介するぜ。
彼は俺達と同じ班の美津島ってんだ」
 
 
美津島
「こんにちわ、浩二君。
美津島っていいます」
 
 
 
 
 
 
 
 
作り笑顔が過剰でどこと無く不気味な雰囲気を放つ
細身の彼がどうやら同じ班の美津島という奴らしい。
うーん、同じクラスらしいが席も離れてたみたいだし
名前も覚えてなかったなあ。

とりあえず、今後の事を考え友好的な態度で挨拶しとこう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

「おはよう水島君!」
 
 
美津島
「美津島です」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
出会いがしら名前を間違えるという最悪な挨拶から始まったその直後、
好雄が場の空気を読んで、口を開いた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
好雄
「それにしてもそろそろ出発してもいい頃なのに、
どうしたんだろうな」
 
 
 
 
 
 

時計の針を確認すると午前11時を回っていた。
集合〜出席確認迄が確か午前10時45分頃になる筈なので確かにこの時刻になるまで
教師側等から号令の一つも無いのは不自然である。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
美津島
「あ、先生が呼んでるみたいだよ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
と、美津島の呼びかけに応じ担任の方を向くと、
生徒に号令をかけているのが見えたので、
一先ず俺等はその元へと向っていった。
 
そして担任の前で整列すると事情説明が始められた
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
担任
「えー、皆さん、
ある事情で遅れている生徒を一人待機してましたが
後日、北海道に来るという旨の報告が今入りましたので、
少し遅れましたが、これより北海道に出発します。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
何て、傍迷惑な。

それにしても北海道に遅れてやって来るとは一体?
交通手段からして電車とは違うしなあ、
今からチケット取る暇なんてあんのだろうか。

と、その迷惑な輩の交通手段に思いを馳せていると
出発しようと身支度を整える好雄が声をかけてきた
 
 
 
 
 
 
 
 
好雄
「何してんだよ浩二っ
もう飛行機行くぜ」
 
 

「あ、悪い」
 
 
 
 
 
そして俺は前列に誘導され北海道便に乗車する為、
空港内へと歩を進めた


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

そして明日から今年2度目の短い北海道生活が始まる。
寒みぃなぁ…

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