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異色の乙女ゲー?『絶対迷宮 秘密のおやゆび姫』

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ゲーム雑記:絶対迷宮 秘密のおやゆび姫(PSVita)

『絶対迷宮 秘密のおやゆび姫』

2015年発売(花梨エンターテイメント)
ジャンル:童話系メルヒェンアドベンチャー

シャビーシックな、おとぎの迷宮へ。
15歳の誕生日。突然小さくなった少女が、
大きな姿に戻るために幻想の世界で大冒険!
小さな小さな女の子の大きな大きな冒険が始まる。

年間に1.2本は乙女ゲーもやっていかないとな。
てことで、今回は『絶対迷宮 秘密のおやゆび姫』です。
絶対迷宮グリムのシリーズと見ていいのかな?
この作品が、そりゃまぁ変わり種の乙女ゲーなのですよ。
むしろ、乙女ゲーオタクの女性には向かない作品です。


主人公シャルロッテちゃんは、タイトルの通り“おやゆび姫”です。
本作はアンデルセン童話が中心の世界観で繰り広げられます。
アンデルセン童話がモチーフのゲームってあまり無かったですね。
それ故に、強烈なキャラを生み出してしまったわけですが・・・


とにかくメルヒェ~ンな作画とキャラデザが目を引きます。
それと、圧倒的に世界を構築してくれているBGMが超秀逸。
音楽はかなり評価されていいと思う。

それではキャラクター紹介といきますか。
普段は女の子キャラしか紹介しませんでしたが、本作は特別!
十人十色の魅力的な男キャラを掲載します。
(たぶんこのブログ初です)

マッチ売り

モチーフはもちろん、アンデルセン童話“マッチ売りの少女”
絶対迷宮グリムの赤ずきんの系統を受け継ぎし、正統派攻略キャラ。
シャルロッテとは幼なじみで、狙われたおやゆび姫を救い出す。

狩人リューン

謎多きエルフの狩人。モチーフの作品は特にないと思われる。
弓を射れば、月まで届くことができる。

白鳥のナイト

みにくいアヒルが、玉手箱の力で転生した姿。
モチーフはアンデルセン童話“みにくいアヒルの子”です。
このルートが一番乙女ゲーしてる。

花の王子 ルピアン

みにくいアヒルの羽の中に隠れていた、体の小さい王子さま。
モチーフは“おやゆび姫”に登場する花の王子。
おやゆび姫と対になる種子より生まれた存在。

黒騎士

おやゆび姫を捕えるために、残忍な手口で襲いかかる漆黒の騎士。
王の命令に従い、ヒュン村を襲撃して焼き尽くしてしまう。

竜騎士シリウス

黒騎士と対峙する竜騎士によって助けられたおやゆび姫。
常に窮地を救ってくれる心強い紳士的イケメンナイト。

ツバメの騎士

春を愛するツバメが、百年を生きて魔力が宿り人の姿に変化した。
モチーフは“幸福な王子”なので、アンデルセン童話ではない。
幸福な王子はどちらかと言うとグリム童話系な気がするのは、
『本当は恐ろしいグリム童話』に収録されていたせいだな。

ヌードキング 裸の王様

思わず画像サイズをでかくしちゃうほど強烈なインパクト。
モチーフはアンデルセン童話“裸の王様”ですが、
シナリオは幸福な王子に登場する王子像の内容に近い。

攻略男性キャラは上記8名+みにくいアヒル明の織月
明の織月は語り部もつとめ、CV:成田剣とか最高この上ない。
登場人物が濃ゆい。
乙女ゲーは奇抜な男キャラが多いからな。


続いて世界観やシステムにも触れておきましょうか。
このゲームの世界観を素敵に彩ってくれるのが、プロポーズ。
おやゆび姫には、生きとし生ける物すべてと会話できる。
小動物、小さな虫、植物、色々なものから愛されるのである。
大人気のおやゆび姫を慕って告白してきます。
とても心温まるやりとりが、メルヒェンな世界を際立たせている。

変わってますね。
このゲームは乙女ゲーというジャンルとはちょっと違う。
ちょっとキツ目に言いますね。
乙女ゲーが死ぬほど好きな女って、
ギャルゲーしかやらないような男とは、
種類が違うと思うんですよ。
かっこいい好みのキャラに、イケメンボイス声優というエッセンス。
あとはひたすら恋愛を楽しむシナリオがあればいい。
そんなイメージ(個人の見解です)。
だから、百合なんて言語道断。

まてよ・・・?

このゲーム・・・

ひょっとして男性向けなんじゃないか?


こっからが本番じゃああああ!!!!
『絶対迷宮 ひみつのおやゆび姫』の真 骨 頂 !
ガチ百合ゲーム、ここにあり!
やったぜ。
ようやく本来の女の子紹介ができるぞ!

氷姫 スヴィア

触れる物をすべて氷漬けにしてしまう呪われた少女。
モチーフはアンデルセン童話“雪の女王”ですね。
アナ雪のほうが有名になっちゃいましたが・・・
彼女は雪の女王の妹という設定。
雪を操る能力を持った姉は、村の人々から可愛がられたが、
氷姫は悪魔扱いされて、親からも疎まれ幽閉されていた。


彼女に触れても氷漬けにならないのは、純粋な心の持ち主だけ。
自分を愛してくれた青年も、氷に彫刻となってしまった。
そんな彼女の心を溶かしてくれたのは、おやゆび姫だった。
「私の温もり・・・貴女にも伝わるかしら?」
春の花の芽吹きを届ける温もりの魔法が彼女を包む。

100年もの間、たったひとりぼっちだった氷姫。
おやゆび姫は、はじめてできた友達。
この展開は、まごうことなき純粋な百合と見た。


ほれこのとおり。
普段はクールに淡々と話す氷姫が、感情を露わにする。
もうちゅっちゅしていいのよ。
氷姫は個別ルートに入ると、童話に沿った展開になっていく。
そして雪の女王との姉妹愛も加わり、シナリオは纏まっていく。
ゴシック少女はあまり好みじゃないですが、
氷姫とのピュアなガチ百合には大満足でした。

人魚姫 エーシェル

なんと女の子はもう一人。ありがたい!
モチーフはご存じアンデルセン童話“人魚姫”です。
しかもおっぱいさん。
これはひょっとしてギャルゲーでは?
こちらは共通ルートで童話に沿ったシナリオが展開されます。


助け出した人間の王子に恋したエーシェル。
彼女は、声を犠牲にして人間の姿となり王子に会いに行く。
激痛が走る人間の姿に耐えながら、王子の愛を待ちわびる。
しかし、王子は闇に染まり悪政の限りを尽くすようになる。
哀れに思った人魚姫の姉妹は、人魚に戻る方法を提案する。
(ちなみに姉妹にメガネっ子人魚がいて超かわいい)
それは、愛する者を魔女の短剣で殺すこと。
人魚姫共通ルートシナリオは、ほぼ童話のとおりです。


個別ルートに入ってからは、もう一人の囚われの人魚のお話に。
北の海に住むセイレーンの人魚がサーカス団の奴隷となっていた。
彼女を救うために忍び込むが・・・
自我を失いマーメイドの本性を現したエーシェルさん超怖い。
そして海の中で抱擁する二人。
氷姫の百合とは違い、ちょっと大人の恋を感じさせます。
もうちゅっちゅ以上のことしてもいいのよ?

ガチ百合対象キャラが2人もいた『秘密のおやゆび姫』。
いかがでしたでしょうか?
今まででやった乙女ゲーの中で一番面白かった。
昨今の乙女ゲー衰退の流れの原因は何か?
当然、マンネリである。
しかしながら、本作のような乙女ゲーの領域を超えた作品が
認められていれば、乙女ゲーの幅は増えていたはずです。
このゲームが結構ターニングポイントだったと思うんですよ。
問題作ととるか、名作ととるか。
どちらかというと”怪作”って感じですかね。


この怪作を象徴しているのが、裸の王様。
おやゆび姫を食べるために残虐の限りを尽くすラスボス。
すっぱだかで現れるその間抜けな格好。
なのに相手を恐怖させる威圧的な声のギャップよ。
“幸福な王子”のお話に近く、裸の王様のお話はあまりない・・・
と思ったものの、どうやらおやゆび姫には裸に移っていないようだ。
どう考えてもヘンタイ露出狂。
なのに裸であることに触れず、常に恐怖の王として見ている。


おやゆび姫の魔法で攻撃されると、ヌードキングは鎧をまとう。
他の仲間たちは容姿の変化に気付く。
ということは、やはり裸に見えるものと見えないものがいるようだ。
何かしら緻密なシナリオプロットがありそうな気がするが、
裸の王様ルートに入れないので現時点では不明。
とはいえ、様々な童話を取り入れたシナリオは楽しいのです。
恋愛ADVとして楽しむものというより、ファンタジーADVとして
楽しんでいただきたい作品。

メルヘンチックな物語が好きな女性にも。

変わり種のアドベンチャーが好きな男性にも。

勇気を出して手に取ってほしい作品です。

最後にご褒美の百合ちゅっちゅ。


【公式サイト】http://oyayubi.labyrinth-of.com/