カワイイ娘ニハ旅ヲサセヨ

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雑記:不条理ADVとは何ぞ?『最終試験くじら~Alive~』

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ゲーム雑記:最終試験くじら Alive(PS2)

『最終試験くじら Alive』

2007年発売(Sweets)
ジャンル:不条理アドベンチャー

このまちからは匂いがしない。
僕と女の子が上空を見上げると・・・
そこには、青空にたゆたう”くじら”がいた。
世界はあまりにも広く、あまりにも切ないから
僕はひとひらの雪を大切にする。

煌々と照る月の光の届く世界に私はいない。
月の暗い側にしか私の居場所はないから。
あなたに会おう。あなたに会おう。
会えば答えが分かる……きっと導き出せる。
どうして、私がここにいるのか
どうして、あなたがそこにいるのか
どうか、教えてください。

でもね? 月の暗い側なんて本当はないのよ。だって世界は闇そのものだもの。

 

今回は『最終試験くじら』をプレイしました。
ジャンルが不条理ADVとなっています。不安でしょうがないです。
ダ・カーポで有名なCIRCUSというメーカーの作品です。
このメーカーは世界観がちょっとぶっ飛んでる印象がありますね。

本作は、空にくじらが泳いでいる街でのおはなし。


主人公は大衆演劇の一座に身を置いている女形の歌舞伎役者。
睦姫の名で舞台に立っている。
まだまだ無名ではあるが、評判は上々の美形高校一年生。
毎回一ヶ月ほどの短期間での転校を繰り返していた。
そして今回滞在することになったのが不思議な街、安武市。
そこには、空にくじらがいた。

世界は黒くて汚いから せめて 君だけは・・・

2ndオープニングで流れるこの言葉がすべてを語っています。
久々にかなりきつめのヒロイン設定に胸が苦しくなりました。
ではまずヒロインたちを紹介していきましょう。


上記9名のヒロインがOPに登場します。
夢前春香(主人公の妹)
くじらの少女(謎のくじらの少女)
本並曜子(風紀委員長)
御影仁菜(空中浮遊少女)
皆川成美(男性恐怖症女教師)
榛原胡桃(新聞部メガネっ子)
茂木優佳(双子おっとり系)
茂木美佳(双子暴力系)
咲倉ゆん(帰国子女キャラ)
さらに説明書には、物語の鍵を握るであろう2名のヒロインがいる。
そのうちの一人は、ずっと入院している少女・・・

なんとなく『みずいろ』を彷彿とさせるラインナップです。
初回プレイで狙えるであろう女の子は、
夢前春香、御影仁菜、榛原胡桃、茂木姉妹、咲倉ゆん
この5名っぽいかな?
咲倉ゆんちゃんはCVミズハスなので、いつものように彼女狙い。


あかんって。
しょっぱなから妹がガンガンに来て困るわ。

ちょっとどーゆー教育してたのよ。
このお兄ちゃんスキスキっ子は相当危険。
ちょっとでもやさしくする選択肢選んだら妹ルート入っちゃいそう。
春香ちゃんはかわいいけど、ここは心を鬼にしないと・・・


妹のラブラブ攻撃を華麗にかわしつつ物語を進めます。
くじらが空を飛んでいるという世界観。
なんだかほのぼのするような明るいお話のように感じますが・・・
どことなく暗くて恐ろしい空気を纏っている本作。

不条理アドベンチャーとは果たして。


旅芸人である主人公“久遠寺睦”たち一座の雰囲気は非常に明るい。
だからプロローグ部分では、本作に暗いイメージは一切ない。
転校初日、最初に出会うヒロインは榛原胡桃ちゃん
私の大好きなメガネっ子。
しかしこの子はちょっと生意気で主人公はマウントとられっぱなし。
苦手なタイプのメガネっ子なので今回はパス。
全編通して、胡桃ちゃんと一緒に行動することが多いです。
この子からは不条理なシナリオは見えてこないが、どうだろう?


さてとお目当ての咲倉ゆんちゃんが登場しましたよっと。

なんだこのとってつけたようなキャラは・・・

これはミズハスの無駄遣いと見た。
テイルズオブレジェンディアのノーマちゃんだな、これ。
以外と身長もデカい。
童顔だからもっとちっこいロリっ子をイメージしてたのに。


「ゆんのキャラがつかめない・・・」

公式でゆんちゃんはそういう扱いだと宣言してしまうのか。
ってことで、今回は大好きなCV水橋かおりちゃんはパス。
なぜなら、どうしても気になる女の子がいたんですよ。
ちっこくてね。
かわいいね。
ロリっ子がね。


御影仁菜ちゃんです。

飛んじゃう子。
正確には空中に浮いてしまう特殊体質の女の子です。
自分の意志で浮くことができないため、意味のないスキルです。
料理が好きで料理研究部に入っている。
なかなかおいしいドジっ子です。

彼女はなぜ宙に浮いてしまうのか?
なぜいつもレインコートを着ているのか?
しかし、彼女は自分のことはあまり話したがらないようで。
それでもめげずに、仁菜ちゃん一筋を徹底します。


一途に仁菜ちゃんへ愛情を注いでいたのに。
妹の夢前春香ちゃんがずっとガンガン攻めてくるな・・・
彼女も特異体質の持ち主で、ぬいぐるみを産む能力がある。

これほど意味がわからん能力があるのか?
極度の緊張状態などに陥ると、手の中からぬいぐるみが出現する。
今のところ、異常な能力の持ち主は春香ちゃんと仁菜ちゃんだけ。
それ以外は普通の人間のようです。

「覚えてる?あの時、約束した事・・・」

ギャルゲー重要文化財である『あの日の約束を覚えているか』発動。
ガシガシ来る春香ちゃん。
彼女の好感度がマイナスになるであろう選択肢を辿ってのこの展開。
つまりこのシーンは重要なイベントと見た。

結果、春香ちゃんはぬいぐるみではなく生命を産みだしてしまう。
彼女はしゃべる”小さなくじら”を創り出した。


ゲームのルート入りは、区切り地点までの好感度制度かと。
それまでは常に仁菜ちゃんに会いに行く。
スク水ロリ体系の仁菜ちゃんも拝めた。
親交を深めてゆき、彼女の能力である浮くことに着目していく。
この能力のせいで、仁菜ちゃんはかなりつらい思いをしてきた。

「自在に飛べるようになりたい」

ふたりだけの特訓がはじまった。


物語は後半の個別ルートへ。
ラッセンの絵画のような2ndオープニングが流れます。
若い頃の新海誠が作ったような素敵なOPです。

無事、御影仁菜ちゃんのルートへ突入しました。
しかし、ここから待ち受けているのは不条理な物語。
あまりにも辛く悲しい現実が待ち受けている。


「世の中には取り返しのつかないことなんて無いと思うですか?」

仁菜ちゃんの背負ってきた過去は、あまりにも壮絶だった。
彼女の笑顔に隠された過去は、煉獄の悪夢から逃げるための笑顔。
幼少期のトラウマを5個くらい背負っていた。
これはあまりにも残酷な設定ですって。
ちょっとここでは書けないほどの内容。
ぜひプレイして、この不条理を味わっていただきたいものです。

普通の人間なら、自ら命を絶ってもおかしくない現実。
しかし、仁菜ちゃんはすがるように生きてきた。
死ぬということすら許されなかった。

生まれた時から不幸を背負ってしまった彼女。
宙に浮いてしまう理由 ―
それは人体実験のために背中に”何か”を埋め込まれたからだった。
籠の中の小鳥よりも悲惨な実験用モルモットだったのだ。


はじめて愛されることを知り、信頼するパートナーを得た仁菜ちゃん。
しかし、自分のことを話したがらない仁菜ちゃん。
二人っきりでのデートを続けていくが、なかなか彼女に踏み込めない。
何も知らない睦。
あとは告白するだけなのにな。
旅芸人の一座がこの街にいられる時間も少ない。


二人の心を繋いでいたのは、空を飛ぶ特訓だった。
そしてついに、仁菜ちゃんは翼を手に入れた。
飛ぶことができるようになった彼女が向かったのは、くじらだった。
この特訓の最終試験は”くじら”まで飛ぶこと。
しかし・・・


くじらへの到達が、仁菜ちゃんの運命を変えてしまう。
それは、あまりにも悲しくやりきれない結果が待っていた。

くじらの少女は告げる。

「もうすぐ完全にひとつになっちゃうね」

「ひとつになった時、好きな気持ちがどうなってしまうんだろう」

不条理の連鎖は、もう止められない。


仁菜ちゃんの背中に”完全なくじらのかけら”が完成していた。
くじらのかけら
これがモルモットである彼女に課せられた正体だった。
くじらのかけらの完成を知った悪意ある者たちが動き出す。

仁菜ちゃんの体に埋め込まれていた物は無理矢理奪われた。

血まみれの体を引きずりながら、睦に保護された。

そのとき、少女は記憶を失っていた。

という訳で、壮絶な終盤の展開はあまりにもキツい内容です。
安武市にいられる残り日数もあとわずか。
なんとしても仁菜ちゃんの記憶を取り戻さなければならない。
彼女の記憶は、幼少期まで後退していた。
いつものようにオレの名前を呼んでくれ。

時間だけが無情に過ぎてゆく毎日で、主人公は賭けに出る。
仁菜のトラウマを知った睦は、仁菜の母親を演じる。
舞台の上の旅芸人である睦姫となって ―


不条理ADVおそるべし。
やりすぎだろ!ってくらいトラウマを抱えていた仁菜ちゃん。
それでも1発でハッピーエンドを迎えることができました。
いやあ泣きましたわ・・・
てかこれは卑怯。
不条理で泣かせるのは卑怯やで。
ただ、シナリオのもっていき方の上手さは一級品。
文章も上手いので、キツイ展開の連続でも嫌気がささない。

ひとりのEDだけでは、この物語の全貌はまったく見えてこない。
くじらの少女が「鍵がたりないの」と言っていたので、
おそらく主要キャラ全部ED見ないと本編は現れないでしょう。

『最終試験くじら』

なかなか奥の深い作品のようです。
てことで、私は引き続きこの不条理ADVを遊びたいと思います。

それにしてもこのCIECUSというメーカー。
チュッチュシーンの絵がないな。
ダ・カーポをやったときもなかった気がする。
あれか?
チュッチュもエロすぎてコンシューマ移植でカットされてるのか?
う~む。
仁菜ちゃんとのちゅっちゅシーンをスクショしたかった。
キャンディの口移し・・・

 

【公式サイト】https://circus-co.jp/product/kujira_alive/