ゲーム雑記：高円寺女子サッカー３（3DS)

『高円寺女子サッカー～恋するイレブンいつかはヘブン～』 2016年発売（スターフィッシュ・エスディ） ジャンル：ドラマチックスポ根美少女アドベンチャー 恋と部活と青春と・・・ かつて全国優勝を果たした、高円寺女子サッカー部も、 今や廃部寸前にまで廃れていた。 そこにやってきた新任教師が、ひょんな事からクラブの顧問になり 教師のクビをかけて優勝を目指す羽目に。

いろいろと問題があるメーカー、スターフィッシュ。
今回の『高円寺女子サッカー３』は、そんなトラブルゲームメーカーに
トドメを刺した作品といえよう。
以降、スターフィッシュは社名だけ残して、消滅状態。
社長の経営している別会社ジョイフルテーブルに吸収された模様です。
それはいったん置いといて、まずはゲーム紹介といきましょう。

主人公は、過去にその名を馳せた有名サッカー選手だったが、
ある事件をきっかけに名前を変えて、表舞台から姿を消していた。
そして、教師となり赴任した先で、サッカー部の担任を任されることに。
過去を隠しつつ、弱小サッカー部を優勝に導くことを目的とする。
部員は5人しかおらず、試合に出るためには仲間を集めなければならない。
そんな中で少女たちとの仲を深めていく、恋愛ADVです。

ただ、サッカーゲームですからね。
サッカーパートがあるわけですが・・・

サッカーシュミレーションパートは、ファミコンのキャプ翼形式。
これがまた、2016年のゲームとは思えないチープさで。
「ひょっとして、コレ・・・逆に面白いんじゃないか？」
なんて錯覚させられるほどの出来なわけです。
・こいつら、サッカーわかってんのか？と疑いたくなる動きの数々。
・キーパーが弾いてゴールサイドを割ってもコーナーにならない。
・コーナーキックをもぎ取っても、誰もゴール前にいない始末。
・パスをするごとに、全キャラが所定のポジションに戻る仕様。
・反則なしのためフリーキックやPKなどは一切ない。
などなど、ツッコミどころ満載なのです。
なぜなのか？わたくし、考えました。
そう。
どの試合も審判がいないのです。
そうか。審判がいないんなら仕方がないな！
こりゃ逆に面白いのかもしれん。
ぜひ、プレイして体験してほしいものです。
サッカーパートの説明はこのくらいで許してやるとして、
愛しのイレブンたちをご紹介しましょうか。

飛鳥未来（FW）

メインヒロインとも言える熱血サッカー少女。高校一年生。
声優の演技力（★★★★）
サッカーをこよなく愛し、部の存続のために四苦八苦する女の子。
決勝戦の前まで必殺技を習得できないのが、ちょっとつらい。

板橋ローラ（FW）

ローラースケートで暴れまくる、元強豪チームに所属していた不良少女。
声優の演技力（★★）
モデルとして活躍しているという長身を生かしたストライカー。
必殺技はヘディング。ドリブルしてるときしか出せないという謎。

 

木屋町舞（左サイドMF）

3戦目から仲間になる京都の舞妓さん。一見さんはお断りどすえ。
声優の演技力（★★）
ぽっくり靴で鍛えた独自のステップで、ドリブル突破が上手い。
おっぱいがやわらかいらしい。

 

伊賀野忍（ボランチ）

伊賀忍者の末裔。主人公をサッカー部顧問に陥れた張本人。
声優の演技力（★★）
甲賀忍者の者とされている音無先生をライバル視している。
ドスを隠し持っているあたり、かなりの問題児のようだ。

 

沢村夢絵（右サイドMF）

口の悪いムエタイ少女。初期メンバーの中でリーダーシップをとる。
声優の演技力（★★）
幼少期にタイで暮らしており、夢は象を飼うこと。
そのため、日々いろいろなバイトに明け暮れている。

 

浦原萌（ボランチ）

夢絵が大好きで入部したガチ百合一年生。
声優の演技力（★★★）
地下アイドルをやっていることがバレて、校長から退学を迫られる。
全体的に能力が高く、中盤の要となる。結構使えるキャラ。

 

有野玲（左サイドバック）

100年の眠りから目覚めし実体を持った幽霊。
声優の演技力（★★★）
この世に未練を残し、部室に住まう幽霊部員。
タックル値が高く、なぜか敵が寄ってこないことがあるとか…。

 

滋賀瑠亜（右サイドバック）

サッカーは二の次の、釣り大好きな少女アングラー。
声優の演技力（★★★★）
グラウンドで釣竿を投げるほどの釣り好き。
ただし料理は絶望的に下手で、主人公を苦しませることも。

 

羽流純連（センターバック）

未来の幼なじみの阿波踊り少女。サッカー部のピンチに一肌脱ぐ。
声優の演技力（★★）
阿波踊り大会の優勝候補チームに所属する祭り女。
CBなのに必殺技がドリブルという超絶危険な存在。クリアしろ。

 

安藤ぐぐる（センターバック）

成績は学年一の秀才少女。情報収集能力に長けている。
声優の演技力（★★）
高円寺チャンネルという有名ブログを運営しているオタク。

 

本山まひろ（GK）

主人公の下宿先の居酒屋に住んでいるカンフー少女。
声優の演技力（★★）
太極拳を用いてゴールを守る少林サッカースタイル。

以上が高円寺女子サッカーの味方イレブンです。
ちなみに演技力の★は10点満点だからな。
FW：熱血
FW：モデル
MF：舞妓
MF：ムエタイ
MF：忍者
MF：アイドル
DF：幽霊
DF：釣り師
DF：阿波踊り
DF：オタク
GK:カンフー
このメンバーで全国制覇を目指すことになる。
最初は部員がいないので、レンタル選手MOBが試合に出ることになります。

試合に勝ちあがりながら、ギャルゲーお馴染みイベントをこなします。
海で合宿したり、
文化祭でアイドルになったり、
阿波踊り大会に出たり、
温泉につかったりと。
個性的な相手選手との交流もあり、ギャルゲーとしては悪くない出来です。
う～ん。誰にしようかな？

瑠亜ちゃんだな。演技力もそこそこあるし。
そして何より・・・
ピンク髪におサカナのヘアピンってもうアレだよね。
『ラムネ』のポンコツヒロイン、近衛七海ちゃんじゃないか！
今回のめがねっ子はあまり惹かれないので、瑠亜ちゃんルートに決定。

そんな中・・・
女の子たちとのお色気イベントで、不思議な現象に気付くことになる。
11人全員の体の一部に、桜の花びらのカタチをした痣がある。
そして決勝戦前夜、みんなで水川神社に必勝祈願をすることに。

すると、主人公たちの目の前に、ヒロインたちにそっくりな水干姿の11人の幻が現れた。
彼女たちは、高円寺に祭られている蹴鞠乙女の生まれ変わりだとか。
強い絆を胸に秘め、最後の強敵、王道学園に挑みます。

最終戦、2-1で一発クリアできました。
なんだかんだで4戦目の三つ子が一番強かったな。
全国優勝を達成して、主人公は教師クビを免れたものの、
ここで、ボーナスステージ。
今まで対戦したチームのエースが、全員プロリーグに所属する展開に。
所属先は、実際にある女子プロリーグのチーム、アイナック神戸。
オールスター戦です。
0-2で負けました。
この試合は再戦不可。たぶん相当運がないと勝てないな。

その後。
主人公は3月いっぱいで教師を辞めることを決意する。
サッカーを辞めた理由は、妹と練習していたときに、
ボールを追いかけた妹が交通事故に遭ったことが原因だった。
サッカーへの情熱を取り戻した主人公は、プロ選手の道へ挑戦する。
そして、エンディングへ。

おっと、ラストなのに手抜き絵がきやがった。
瑠亜ちゃんルートのEDです。
その後、瑠亜ちゃんが毎日釣った魚を持ってくるようになる。
料理が苦手な彼女は、主人公に魚を料理してもらう毎日が続いた。
そして教師最後の日。
彼女は傷だらけの手で精いっぱいの料理を作って告白した。
主人公は無事プロ選手となり、大人になった瑠亜ちゃんと一緒になる。
釣りを楽しむシーンでおしまいです。

このゲーム、こんな感じです。
色々と問題だらけのスターフィッシュですが、ADVパートは合格点。
ですが、
本作の問題は、やはり企画にある。
それは、ヒロインの新人声優をオーディションしたことから始まる。
その新人を、アイドルに仕立て上げようという無謀すぎる企画。
これに2年以上の歳月をかけた。
合格者は被害者である。
弱小メーカーがやることじゃない。
この企画を考えたのが、”リリカルしおり”というおばさん。
何者なのか？おそらく社長の親族、もしくは社長の”女”の可能性がある。
本作を最後に、リリカルしおりという人物は姿を消した。
そして、スターフィッシュは消滅してゆく。
ゲーム業界の闇を垣間見た作品。

ただ、このゲーム。
2周目やってもいいと思わせる謎の魅力がある。
こわいこわい。

【公式サイト】http://www.s-f.co.jp/soft/3ds/koenji3/