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湘南爆走族を読んで勝手に震える

何かいい年こいてヤンキーマンガばっか読んでその感想をブログに書くというのも
どうかなぁと思うが、この度10数年ぶりに湘南爆走族を読み返す。


いやぁ...面白い。この漫画、本当に溜息が出るほど面白い。
元々自分はこの作者の画風やシナリオの描き方が好きで
他にも「ちょっとヨロシク」何かも全巻揃えて
しょっちゅう読み返していたのを思い出した。

自分が湘南爆走族を読んでたのは確か90年代前半の中~高生位ん時と記憶してる。
既に週刊連載が終了して数年経ってる時にこの漫画の単行本を
古本屋で手にしてその独特の世界観にくらくらしてしまう程
のめり込んでしまったのをよく覚えている。

高校生の頃の時の自分といえばデップりとした体系で気は弱く、
口八丁ばかりで、女はおろかそういう色事に
縁のありそうな華やかな男友達すら居なかった。
見渡せば、ちょっと捻くれてて、グループから離れてたり
ちょっと周りから突き放されて行き場の無い様な連中の寄せ集め
みたいになっていた。

そんな中、この漫画の主人公達の様に、
根が明るくて、芯の通った不良へのちょっとした憧れもあり
教室の隅で窓際族の様に隅でおとなしくしてる反面、
何かヲキッカケに大勢でハジけて騒ぎたいなという
妙な燻りが自分にあったのを今でもよく覚えていて、
この漫画の中で描かれる臭い程の人間劇や
出来過ぎた青春話が劣等感を強く煽っていたと思う。
いわゆる「ブスが恋愛漫画を見る感覚」に等しい見方で
いつもこの漫画を読んでいた。

で、ネットで湘爆について調べてみたら、
そんな駄目な学生生活を過ごしてしまった自分寄りな漫画として
湘南爆走族のスピンオフ作品「湘南グラフィティ」という漫画が出ている事を知った。
この作品は湘南爆走族の蔭に隠れたいわゆる「脇役の話」で、
湘爆と同世代のパっとしない凡人達の日々の
自堕落な高校生活にスポットを当てた漫画らしいのだが非常に興味が出てきた。

だっていくら憧れても湘南爆走族みたいに
無茶苦茶喧嘩も強くなれないし、
かっこよくもなれないし、何より目立つ特徴も無い。
だけど、その取り巻きになら一筋の希望の光が見える。
駄目な自分でもそれに憧れるエキストラなら
近寄れるかもしれない。

作者の吉田聡も湘爆に憧れる一般ピープルを
少しでも近づけて上げられるサービス精神があって
この作品をかき上げたんじゃないだろうか?

実際この湘南爆走族という漫画は80年代に原作の連載が終ったにも拘わらず
98年にかけて12作ものOVAが発売されたり(DVD-BOXとしても出てる)
07年には書き下ろしの話を追加した完全版が発売されたり、
普通の作品には無い様な並々ならぬ愛が感じられる。
これは作者の力もさることながら
この作品をこよなく愛するファンによる所も強いんじゃないかと思う。

湘南爆走族は暴走族を題材にした漫画なのに、
特別なエピソード以外はほぼギャグでマトめられているという
先日紹介した不良漫画「カメレオン」「今日から俺は」等、
の先駆けともなる独特な雰囲気を持ち合わせた漫画である。

それ故、この漫画のファンの多くは
「湘南爆走族は不良漫画じゃない」
という感想を述べる人が多い。
かくいう自分もこの漫画の魅力はギャグや恋愛、スポーツ等、
青春のすべてを詰め込んだ10代のエンターテイメント的な所にあると思う。

だから喧嘩が弱くても、人より目立たなくても、
女にモテなくてもいいからちょっとした事で
そんな楽しい湘爆に拘わりたい気持ちや、
そういう奴等と友達になって少し個性的な学園生活を過ごせたらなあ...
という憧れがムクムクと膨らんでくる。
実際、湘南爆走族には不良とは全く縁のなさそうな一般人や、
普通の同級生が主要メンバーと仲良くしてるエピソードが結構多い。

自分は学生の頃この漫画を読んでた時に、
主人公達と仲良くしてるそういうキャラによく自分を投影して
漫画を楽しんでいたのを覚えている。
だから、そういう「湘爆の脇役」にスポットを当てたとされる
「湘南グラフィティ」には凄く興味があり、
読んだらその漫画の主人公たちに親近感が持てそうな気がしている。

それにしても、こういう読者心をくすぐる作品を描いてくれるなんて
作者の吉田聡って人はとても粋な人だなぁ。
Amazonの湘爆のレビューに
「湘南爆走族って作品はもう作者だけのものでは無くなってるのかもしれない」
というコメントがあったけど、
10数年経って新刊が出る所を見ると割と的を得た意見だなと思う。

今何しても全くやる気にならない、
元気が出ない、人生について悩むフリをしているが
その実、他の事をするのが面倒くさいのでそういう体裁にしてる
10代後半~20代前半の人達はこの漫画を読むと元気が出るかもしれない。

ちなみに自分は久々にこの漫画を読んで一時的に熱くなったけど
自分のバイタリティに関するポテンシャルの低さを思い出しすぐに熱が冷めました。
感覚としてはカンフー映画を見てから1時間前後位
沸々と沸き立つ謎の闘気に通ずるものがある。

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