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伝えたいことがあるんだ

  • Posted by: 連射太郎
  • 2006年2月27日 01:29

 1995年 6月11日 日曜日
 
 この前の練習試合以来、
 俺は試合メンバーとしての練習に参加させてもらっている。
 マシンを使った打撃練習やノック、シートバッティングなど
 充実した練習ができている。
 守備では相変わらずフライが取れないが
 打撃練習では快音をとどろかせている。
 先輩達の評価は日に日に上がり、
 そして虹野さんにも時々話しかけてもらえるようになった。
 相変わらず部活で忙しい毎日を送っているが
 こういう充実感も悪くない。
 
 
 そうそう先週体育祭があった。
 俺はクラス代表として詩織と2人3脚に出場し
 見事に一位になった。
 球拾い時代の走りこみがここでも生きたみたいだ。

107-0781_IMG.JPG
 
 
 
 
 
 
 順調な学校生活とは裏腹に
 虹野さんへの思いはつのる一方だ。
 たまに話しかけてもらえるようになったものの
 虹野さんと話すといつも緊張してしまい
 まともな会話ができない。
 そんな俺が今恋のためにしてることといったら
 虹野さんの帰りをつけることくらい。
 最近は切ない思いが募り、
 毎日恋愛小説を読むようになってしまった。
 
 
 (こんなんではだめだ。。。。)
 
 しかし、気弱な俺は行動を起こすことができず
 結局帰り道を付けることしかできないのだ。
 
 そんな自分に嫌気がさし、どうしたらいいのか
 好雄に聞いてみることにした。
 
 「そうだなぁ。。。電話とかどうだ??
  電話ならあまり緊張せずにしゃべれるだろ??」

 「電話かぁ。。。。。わかった!」

 俺は好雄の電話の後、勢いに任せて受話器を取り
 電話をかけようとした。
 もちろん好雄に前に聞いたから虹野さんの
 電話番号は知っている。
 しかし、手が動かない。

 (動いてよー!!!)

 どれぐらい自分の中で葛藤があっただろうか。
 笑っていいともがやっていたテレビは
 すでにアタック25が終わろうとしていた。
 
 このままじゃだめだ。。。

 そうだ!!
 エロ本を自分の机の上において散歩して
 それでも親に見付かってなかったら電話しよう!

 俺は机の上に堂々とエロ本を置き
 散歩に出た。
 
 
 
 1時間後、家に帰ってみると
 エロ本は微動だにせず机の上に置かれたままだった。
 今日の俺はついてる!
 今ならいける!
 俺は受話器を手に取り勢いよくボタンを押した。
 
 
  Trrrrr Trrrrrr Trrrrr
 
 
 「はい。虹野です。」
 
 
 
 
  (出たーーーーーー!!!!)
 
 
 
 「おおおおおおおおお俺、穴吹。。。。」
 
 
 
 「穴吹君??どうしたの??」
 
107-0783_IMG.JPG
 
 
 
 
 
 
 
(何しゃべったらいいんだろう?????)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「えええええええええっと。。。。
  デデデデデデートしよ!!!
  7月2日に遊園地行こう!!!!」

107-0791_IMG.JPG
 
 
 
 
 
 
 
  しまったーーーー!!!
 
 
 
 
 
 
 
 
  しゃべることが思いつかなかった俺は
  こともあろうかいきなりデートに誘ってしまった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 「その日はちょっと用事入っちゃてるみたい。」
 
107-0792_IMG.JPG
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「ごごごごごごごごめん!!!!
   じゃ、じゃあ!!!!」
 
 
 
  俺は慌てて電話を切ってしまった。
  これじゃホント変な人だ。
  俺は電話すらできないのか。
 
 
 
  そんな自分をなぐさめるため、
  その夜は
  第72回 オナニー大会
  が一人で盛大に開かれたことは
  言うまでもない。
 
 
  
 
  
  
 
  

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