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2006年9月 Archive

BOYS BE...

  • Posted by: 連射太郎
  • 2006年9月 9日 12:53

 1996年 9月13日 金曜日
 
 
 一緒に自由行動をしてくれる
 女のコのあてはなく
 結局俺は好雄と行動することになった。
 
 
 
 
 
 
 自由行動の日の朝
 好雄と待ち合わせをしていた
 ロビーで待っていると
 しばらくして好雄と
 もう一人見覚えのある顔がやってきた。
 
 
 
 
 
 
  「田中浩二」だ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 好雄「よう!雄吾!元気だったか??」
 
 
 
 「おはよう。元気かって言ったって昨日会ったばっかじゃんか。
  朝からボケかますなよ。」
 
 
 
 好雄「わりーな!そうそう浩二も俺らと一緒に行動したいらしいんだけど
    いいか??去年俺らと一緒のクラスだった田中浩二だよ。」
 
 
 「俺はいいよ。」
 
 
 
 好雄「そっか!おーい!浩二!
    大丈夫だってさ!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「田中浩二」はなにやら青ざめた表情を浮かべていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 好雄「どうしたんだ??浩二??
    早く行こうぜ!!」
 
 
 「田中君も一緒に来るかい??
  今日一日よろしく!!」
 
 
 田中「い、いや。。。。。
    俺用事思い出してさ。
    悪いな好雄。」
 
 
 好雄「なんだー??それならそうと
    先言ってくれよ。
    それじゃ行こうぜ雄吾!」
 
110-1050_IMG.JPG
 
 「ああ!それじゃ田中君また!!」
 
 
 田中「あ、ああ。。。。。」
 
 
 
 
 俺達は「田中浩二」を残し
 ホテルのロビーを後にした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 (どうしたんだろう??田中浩二。
  すごい青ざめた顔してたから
  よっぽどな用事があったんだろうな。)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「なあ、好雄どこに行く??」
 
 
 好雄「大通り公園なんてどうだ??
    札幌でナンパって言ったら大通り公園か
    市街地って聞いたぜ。」
 
 
 「なななナンパするのか??」
 
 
 好雄「当たり前のこと聞くなよ!!
    せっかくの修学旅行男二人なんて悲しすぎるだろ??」
 
 
 「そうだけど。。。。ナンパかぁ。。。。」
 
 
 好雄「何??まさかお前びびってるのか??」
 
 
 「ばばばばばばかなこと言うなよ!!!」
 
 
 好雄「ふふふふ図星か??」
 
 
 「いいいや、せっかくだから観光したいと思ってさ!!」
 
 
 好雄「分かったよ。じゃあまず時計台にでも行ってみるか。
    修学旅行で来てる女のコもいるかもしれないな。」

 
 こうして俺達はまず時計台を見て回ることにした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 tokeidai.jpg
 
 「すごいな!!」
 
 
 好雄「。。。。。。。」
 
 
 「好雄??」
 
 
 好雄「。。。。。。
    わるい!女のコ探すのに夢中になってた。」
 
 
 「せっかく時計台に来てるんだからもっとちゃんと見ようぜ!!」
 
 
 
 好雄「そんなの後で写真で見ればいいだろ!!
    それより今は女のコの方が大事だよ!!」
  
 
 「。。。。。。」
 
 
 
 好雄「おっ!!
    おい雄吾あの2人組なんてどうだ??
    一人は微妙だけどもう一人はなかなかだぞ!!」
 
110-1052_IMG.JPG
 
 
 俺は好雄が指し示す方に目を向けた。
 
 
 確かに一人はかわいい!!
 
 俺のタイプだ!!
 
 
 好雄「じゃあ決まりだな!!
    俺が声かけるからお前ちょっとついて来い!!」
 
 
 「ちょ、ちょっと待てよ!!」
 
 
 好雄は俺の制止など気にも留めず
 女のコのところに向かっていった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 好雄「かわいいね!!どこから来たの??」
 
 
 女のコ達「。。。。。。。」
 
 
 好雄「俺らは修学旅行で東京から来てるんだ。
    名前なんていうの??」
 
 
 女のコ達「。。。。。。。」
 
 
 好雄「俺早乙女好雄。でこいつが穴吹雄吾って言うんだ。
    今何してるの??」

 女のコ達「。。。。。。。。」
 
 
 
 こんなカンジで全く会話は成立せず
 ただ好雄が一人で話してるカンジだった。
 
 
 こりゃ無理だな。。。。。
 
 
 
 好雄「えっと。えっと。。。。。。。
    。。。。。。。。。
    おい!雄吾もなんか話せよ!!」
 
 
 「えっ!!!!
  あああああ安室奈美恵好きですか???」
 
 
 女のコA「別に。。。。。。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 。。。。。。。。。。
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 女のコB「私は好きだよ!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 !!!!!!!!!!!
 
 
 
 なんとかわいいコの方が俺の話に
 答えてくれたのである。
 
 
 
 
 
 
 
 
 好雄「お、俺も大好きなんだよ!!
    俺はBODY FEELS EXITが好きだなぁ。
    あ、そうだ名前教えてよ!!」
 
 
 女のコA「私は河合まりもって言います。
     私達も修学旅行で東京から来てるんだ。」
 
 
 女のコB「私、揖斐原友香理。」
 
  
 好雄「二人ともいい名前だね!!
    じゃあ俺達とカラオケなんてどう??
    一緒にアムラーしようぜ!!」
 
 
 河合「どうしようっか??」
 
 
 揖斐原「私は無理。」


 好雄「イビちゃんそんなこと言わずに頼むよ!!」
 
 
 揖斐原「無理。彼氏いるもん!!」
 
 
 好雄「そっかぁ。。。。
    ごめんね。それじゃあ!!」
 
 
 河合「なんかごめんね。。。。」
 
 
 
 
 
 一応会話にはなったものの
 結局ダメだった。
 
 
 まあナンパなんてこんなもんだろう。
 
 
 でも河合さんかわいいしいいコだったなぁ。。。。
 
 
 
 
 好雄「ちくしょー!!次行くぞ!!次!!
    大通り公園の方に行ってみようぜ!!」
 
 
 「あ、ああ。。。。。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 場所を大通り公園に移して
 再びナンパを始めた俺達。
 
 oodoori.jpg
 
 
 しかし無視されて終わるケースがほとんどで
 たまに会話に発展することがあっても
 用事があるからとか何かと理由を付けて
 断られる。
 
 
 
 好雄「あれ??おかしいなぁ。。。。
    こんなはずじゃないのに。。。。」
 
 
 「ゆうか好雄ナンパ成功したことあるのか??」
 
 
 好雄「ない。」
 
 
 「おいおい。」
 
 
 好雄「でもこの旅行ではきっと成功するはずだ。
    そういう予感かする。。。」
 
 
 「。。。。。。」
 
 
 
 好雄「あっ!かわいいコ発見!!
    行くぞ雄吾!!」
 
 
 「俺いいよ。。。。」
 
 
 好雄「なんだよやる気ないのか!!
    じゃあ俺一人で行ってくる!!
    お前はちょっとここで待ってくれ!!」
 
 
 「お、おい!!」
 
 
 そう言うと好雄は俺を残し
 女のコを追いかけていった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 (なんだよ好雄のヤツ。
  でもどうせすぐ失敗して戻ってくるだろう。)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 そう思い人間観察をしながら
 俺は時間をつぶしていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 (なかなか帰ってこないなぁ。。。。
  探しにいくか。)
 
 
 好雄がなかなか帰ってこないので
 俺は周辺を探してみることにした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 しかしいくら探しても好雄の姿は見付からない。
 おまけに初めて来た札幌。
 気付くと俺が迷子になってた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 (はぁ。。。。。。
  なんてさえない修学旅行なんだ。。。。)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 俺がへこんでいると
 見覚えがある姿が目に入った。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 河合さんだっ!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 しかしいるのは河合さん一人で
 イビちゃんはいない。
 
 
 どうしたんだろうか??
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 俺は河合さんの方に向い
 思い切って
 話しかけてみることにした。
 
 
 
 
 
 「かかか河合さんだよね??
  一人でどうしたの??」
 
 
 河合「さっきの。。。たしか穴吹さんでしたっけ??
    友香理とはぐれちゃって。。。。
    一人でホテルに戻ろうと思ったんだけど
    道に迷っちゃって。。。。」
 
 
 「そそそうなんだ。おお俺も友達とはぐれて
  道にも迷ってたんだ。かか河合さんは
  どこのホテル泊まってるの??」
 
 
 河合「私はビルトンホテルだよ。
 
 
 「じゃじゃあ俺達の隣のホテルだね。
  。。。。。。。
  よよよよよかったら一緒にホテルまで戻ろうよ。」
 
 
 河合「。。。。。うん!」
 
 
 
 こうして俺は河合さんと
 一緒に行動することになった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 全く道の分からない二人が集まったところで
 やはり道はわからず
 なかなかホテルは見付からない。
 
 
 しかし
 河合さんと一緒にいる時間は楽しく
 時間を感じさせなかった。
 
 
 じょじょに打ち解けてきた
 俺達は
 だんだん会話もはずんできた。
 
 
 
 「かかか河合さんって彼氏とかいるの??」
 
 
 河合「3ヶ月前までいたんでけど
    相手に浮気されたから別れちゃったんだ。」
 
 
 「そうなんだ。おおおおお俺だったら絶対河合さんを
  泣かすようなことはしないのに。。。。」
 
 
 河合「ありがとう。穴吹くんってやさしいんだね。」
 
 
 「かかか河合さんだからやさしくしたいんだよ。」
 
 
 
 河合「。。。。。。。」
 
 
 
 「。。。。。。。。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 二人の間に沈黙が流れた。
 しかしその沈黙は決して
 気まずいような沈黙ではなかった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 「あ、あの。。。。
  おおおおおおおお俺。。。。。。」
 
 
 
 俺が話しかけた時だった。
 
 
 
 
 河合「あっ!!ホテル見付かったよ!!」
 
 
 
 
 
 河合さんが指さした方にホテルがあった。
 
 
 
 
 
 
 河合「ありがとう穴吹くん。じゃあね。」
 
 
 
 「。。。。。。。。
  ままままま待って河合さん!!」
 
 
 
 河合「えっ!!!!!」
 
 
 
 
 「。。。。。。
  やっぱり何でもないんだ。じゃあね。」
 
 
 
 
 河合「。。。。うん。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 俺は勇気をふりしぼることが
 できなかった。
 
 
 
  
 
 こうして俺達は別れた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 連絡先も知らないし
 もう会うことができないだろう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 しかし
 河合さんと別れようとした時
 自分の中にある
 
 
 
 
 
 「好き」
 
 
 
 
 
 
 という気持ちに俺は気付いてしまったのだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 その後ホテルに戻った俺は好雄に会うことが
 できた。
 どうやら好雄もかわいいコを追いかけている内に
 道に迷ってしまったらしい。
 
 
 「。。。。。で
  結局ナンパはどうだったんだ??」
 
 
 好雄「失敗したにきまってるだろ。」
 
 
 
 「。。。。。。」
 
 
 
 好雄「雄吾明後日の自由行動もナンパ行くぞ!!」
 
 
 「。。。。。。」
 
 
 
 
 
 こうして自由行動が終わった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 その夜俺は寝れなかった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 一晩中河合さんのことばかり考えていた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 つぎの日になっても
 俺の考えることは河合さんのばかり。
 
 
 ラベンダー畑に行ったのだが
 全くといっていいほど記憶がない。
 
 
 rabennda.jpg
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 自分の河合さんへの思いに気付いてしまった俺。
 
 
 
 しかし河合さんとはもう二度と会えない。
 
 
 
 このジレンマに俺は苦しんだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 そして修学旅行5日目の朝を迎えた。
 
 
 
     

 
     
 
 

 
     
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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