さらば愛しき初声(はつこえ)の人よ 名優 水谷優子氏 逝く…

出典 : 声優の水谷優子さん死去 「まる子」の姉役など | NHKニュース

アフターファイブのまどろみの中、ツィッターでいつもの様にツラツラとTLを目で追っていた所、とある方の「今度は水谷優子さんか…」という、不穏な呟きを発見。確かまだいって50代だし、これから仕事盛りの成熟期亡くなるなんて思いもよらず自分はここ数日不定期に観返す天地無用のOVA版で彼女が担当する美星の声に癒されていました。

僕にとって天地無用というアニメはオタクになるキッカケを与えてくれた人生のターニングポイント的作品であり、このアニメで美星というキャラに出会い、その後、イベントライブで動く水谷氏に感動し声優の素晴らしさ、尊さ等二次元の枠を超えた何かを感じさせてくれる作品でした。

このアニメには水谷氏以外にも、ベテラン青野武、折笠愛、高田由美子、等、当時のホープと呼べる素晴らしい演者さんが数多く出演されていて、中でも、この美星というキャラは基本完全なスットボケキャラですが、シリアスになった時のキャラのギャップを別人のように演じ切る様にも魅せられ、聴かされました。

実際、水谷氏の演技は声域が非常に広く、代表作と呼べる「ちびまる子ちゃん」のお姉ちゃんを基準ラインとして、ブラックジャックのピノコ、YAWARAのテレシコワ、爆れつハンターのショコラ等、ハイトーンからローボイスまで緩急つける演技、そして作中でも二面性あるキャラを瞬時に切り分けたり、声質の広さから同作における兼ね役等でレギュラーキャラから脇役まで一人演じ切るその様子は、00年代以前、深夜アニメカルチャー前の最後の演技派声優と呼ぶに相応しい素晴らしいものでした。

ここには書ききれない程、素晴らしい役がありますので詳しくはwikiの出演作リストを参照して下さい。

今回水谷氏が亡くなって改めて分かりましたが、僕は天地無用の美星がキャラとして、大好きでしたが、僕が好きになったそれは水谷氏が演じる彼女で、まるで画面の向こうの片想いの恋人を失ってしまった様な喪失感で胸にポッカリと穴が空いた様な気持ちです。

多分、僕と同じように水谷優子という声優が演じたキャラを愛し、そしてまた氏と仕事をされた数多くの方、途方もない数のファン、ご友人、ご家族、旦那様の胸にも大きな穴が空いてるのだと思います。

また、一昨年頃に短帯としてリニューアル復帰した愛・天地無用、尺的な問題やトレンドを意識し過ぎたキャラデザインの改変等、数多くの懸念材料は残りましたが、それでも僕らファンにとっては嬉しいサプライズ作品だった事に違いはない作品でした。

ただ、作品通して感じたのがシリーズ第一期から皆勤出演の「菊池正美氏」「折笠愛氏」「小林優子氏」「横山千佐氏」そして亡くなる前の「水谷優子氏」僕らファンが勝手な郷愁を馳せているだけなのか分かりませんが、青野氏が亡くなり、高田由美子が居なくなり。まるで、共同生活してる家族の部屋が空いた様な妙な切なさを感じたのを覚えています。
特に、折笠氏は魎呼を一番のお気に入りキャラと答えていて、作中での喧嘩仲間の阿重霞の声優さんが変わった事等から寂しかったんじゃないかなー、と思ってしまいました、折笠、高田の両氏は天地無用のキャラ設定で仲良くラジオ番組もやってらっしゃいましたし。

今回、また天地無用からそういった大切な家族が一人亡くなってしまい、とてもやるせない気持ちですが、水谷氏の出演された多くの素晴らしい作品は彼女が輝いた時のまま未来永劫綺麗に残る事だと思います。僕は声優、水谷優子のファンとして、そして天地無用という作品の愛好者として、彼女が亡くなってから生まれる次の世代にその素晴らしさを伝えていければと思っています。

空の向こうで青野武さんや敬愛する富山敬さんとお会い出来ている事を願いつつ、声優、水谷優子のご冥福と新たな転生を祈って・・・。

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