ソウルマスター
製作会社 光栄
価格 2800円(光栄BEST)
プレイ時間(約) 50時間〜
ゲームジャンル ボードゲーム



ストーリー解説

魔導学校新入生の卒業までを描いたコミカルなボードゲーム。

登場キャラに裏付けられたエピソード等は特に無く、

学校教師から与えられた課題を一つずつクリアしていく強制ミッション型の進行になっている。

 

キャラクター全員が何故か全員ネコミミだが、

ゲーム自体に特に何の関係もなく進行する。

女性ユーザーを取り込もうという魂胆が悪循環に働いてる気がしてならない。


ゲーム紹介

素晴らしい佳作。

 

個人的な好みから言えば

「桃太郎電鉄」や「いただきストリート」を遥かに凌ぐ出来栄え。

システムの構造が複雑に絡んでる為、下記で簡単な説明を

 

ミッション自体は強制進行だが、1マップの構造が非常に奥深いつくりになっている。

基本パターンは曼荼羅式に階層化されたマップの中を1ターン「2手」の限定された行動枠で

「マーキング」「探索」「スペルカード」「移動」「戦闘」等のコマンドを駆使しながら、

マップの中央部に位置するボスキャラクターを倒す事で「ミッションクリア」となるが、

その過程に非常に高い自由度が用意されており、

各システムのゲームバランスの高さに驚かされる。

 

使い切りで特殊な行動が可能になる「スペルカード」

不規則に発生する「ランダムイベント」「モンスターバトル」

その他、モンスター対戦時に使用出来る「攻撃・回復アイテム」等を利用しての策略や、

4人の対戦相手とのアイテム取引等の駆け引きがシビアでとても楽しい。

 

属性値については、RPGで御馴染みの「」の4属性が適用されており、

これ等の値はマップの中の各マスをマーキングする事によって、

そのマスに宿る「ソウルパワー」と呼ばれる属性値を還元してキャラクターの能力を高める事が出来る。

例えば闘技場のソウルパワーは「×3 ×1」とされ、

マーキングを行い火の属性値を3つと風の属性を還元出来る事が可能。

こうした手順を組んで手に入れた属性値を3つ集める事でキャラクターの集めた属性レベルが「1」上昇。

この場合は風属性レベル2となり、戦闘時に使用出来る風魔法がレベルアップ、

また、属性レベルと同属性・同レベルのモンスターをバトル時に自由に操る事が可能になる。

逆に、風属性レベル2の状態でバトル中に召還モンスター「モス」(風LV3)を召還した場合、

召還者のレベルがモンスターより低い為、戦闘時に言う事を聞いてくれない。

この女神転生ライクなバトルシステムにはコアなRPGユーザーも思わず唸らされる事請け合い。

土地によって属性値は変わる。このマスの場合はマーキングする事により「草地+闘技場」の属性値が手に入り、「風4+火1」の属性値が還元され風レベルが1上昇。 戦闘画面。始めはレベル1のゼリーモンスターしか操れないが、レベルの高いモンスター相手でも 系統によって弱点属性があるので、召還モンスターを上手く使い分けしながら打開策を練ろう。

 

 

 

また、バトルに勝利した際、モンスターを勝利者の所有物にする権利が与えられる。

所有モンスターは次回バトル時に戦闘に加える事が可能。

この辺りはどこぞのカードゲームでもよくありそうなシステムだけど、

手に入れたモンスターは別の所有モンスターに配合する事により、

低レベルのモンスターから能力を上げたいモンスターへ能力値を継承させる事が可能だったり、

イベントマス「闘技場」に止まる事で、モンスターの能力値をプレイヤー自身に還元し、

自らをパワーアップさせる事が可能だったりする他、

モンスターをアイテムとして他のアイテムと交換出来る物とする辺りに

他のボードゲームには無い可能性の広さを感じさせられる。

 

特に、「経験値」をある者を倒して手に入る数値じゃなく、拾って集める力とした事に、

既存のRPGから派生したレベルシステムに対する

改革的なアプローチを垣間見せられた様で感慨深くさせられた。

 

ちなみに、熱帯雨林、砂漠地帯等、特殊なマスには通常マスより多くの属性値が宿り、

全キャラ並行に用意された行動枠2手を利用し、如何にこうした属性値の高いマスを辿りながら先に進むか、

先手を読みつつ所有するスペルカード、アイテムを利用してマップ最深部を目指しポジションを取る楽しさは、

ある考え方では「詰め将棋・一筆書き」的な仕組みではあるものの、単純に奥に進めば良いという訳ではなく、

ランダム発生する「イベント」「モンスター」に対し如何に臨機応変に対応しながら

先に進む事が出来るかが勝利への鍵になってくる。

ミッション達成後の成績評価。イベント攻略やクリア期間等から+S〜Dの間で評価が行われる。ちなみにこの評価の合計でエンディング後に言い渡される魔導称号が決定される。 マスに止まる事でランダムイベント発生。思わぬアイテムが手に入る事や災害で動けなくなる事も。スゴロクの醍醐味「デタラメなイベント配列」も割りと計算された位置に配置されてたりするのが、また楽しい。

 

 

 

 

システム周り、それを仲介するゲームバランス等、

上記に紹介した通り申し分ない快作だが、

いくつか致命的な欠点もある。

 

まず、ストーリーや登場キャラ自体に何の裏づけもなく、

単に性格がバラバラな各キャラの言動を個性豊かという事でマトめようとしてる流れから

突拍子もなくゲームが開始されてしまう為、開始〜終わりまで登場キャラ同士でゲームが盛り上がる中、

いまいちプレイヤー側でノリが掴めず、またイラストもどことなくのっぺらぼうでプレイしてて感情移入し難い。

せめて、主人公を喋らないキャラにしてほしかったというのはドラクエ派としての意見も含めての願望。

 

そしてもう一方、

洗練されたシステム郡で完璧なまでに思われたゲームバランスだが、

これぞ致命的という欠陥が一つ。「CPUの思考回路が馬鹿」

自称個性があるキャラ達だが、行動パターンは全キャラ一律して学習パターンが無く、

ピンチを迎えても、組まれたプログラム通りに行動。この動きをゲームマニア向けに解り易く伝えると

「自動戦闘→クリフト→ザキ→連発→回復魔法を忘れ死亡」
(FC版DQ4より)

という、あの忌々しいパターンだろうか。

 

その為に、プレイヤー側で一度味を占めた動きを行ってしまえば、

安直なCPU側での行動パターンでは奪回〜復讐〜直接攻撃等、

特定のターゲットを狙う妨害対策が取れず、CPU対戦でいけば、

殆どそのまま「一番強いキャラがゲームクリア」というベタな流れになり

このジャンルの醍醐味である「一発逆転」の要素が欠けてしまうのだ。

 

これはレベルを上げる仕組みが多い為に多発してしまう現象だと思うんだけど、

半々ぐらいの比率で上下に能力値を揺さぶる様なイベントが用意されていれば、

もう少しボードゲームとしての楽しさを実感出来るバランス構成に仕上がったと思う。

もしくは無理にキャラクターに台詞喋らせるよりは、

何も喋らさせずともキャラクターによって移動法やアイテムの使い方にクセを出す等、

桃鉄みたいなキャラメイキングを設定しておけばプレイスタイルにもっとメリハリが出ただろう。

育てた形を残す正統派RPGならいざしらず、その時々の駆け引きを楽しむパーティ・ボードゲームなんかでは、

縦割りの比率で運を使い切れる仕組みが置かれていた方が長く楽しめると思う。

 

それにしても、ストーリーのツマらなさを抜けば本当に大傑作。

光栄はウイニングポストからのファンだけど、

このメーカーのシステム作りは純粋で透明感のある楽しさがあって大好きです。

ビジュアル変えてやるだけでも相当面白くなるんじゃないかと。

ただ、同系統のものとして「カルドセプト」にはなれない。

このゲームが進むべき道を強化するならストーリーの改善+人口知能の強化、

そしてイベントで楽しむマップ作りの追求を目指してほしい。

カルドセプトがカードゲームの「いたスト」ならこっちは「桃鉄」という感じで。


採点表
最高5ポイント



グラフィック



サウンド



バランス



ストーリー



アイディア



中毒性


連射のつぶやき

ブリーフマスター。そんな仇名が俺にあった様な気がする、キッカケは野球拳。

ブリーフブラザース。学生の頃、そんな出し物を友人Nと文化祭で発表し、

体育館で全女子生徒から反感を食らった様な気もまたする。

 

全裸にBVDを着用といういでたち、

俺等はただ中島みゆきの「生きていてもいいですか」にのせて必死に腰を振り続けた。

拍手の代わりにバスケットボールが10個程とんできました。



記入日時 2004/12/21/20:11:49
記入者