ゲーム紹介
面白い。
ひたすら面白い。
不要に3Dに頼らないコミカルなキャラデザインは、
FF9で失敗したノスタルジーの映像化を、
ゲームとして美味く消化させ成り遂げた感じ。
RPGをプレイする度ドラクエの亜流?
と、真顔でダメ押しをするウチの母親にして、
プレイしてみてドキドキしちゃった
と言わせる出来栄え。
個人的にトトロ以来のヒットである
「千と千尋の神隠し」世界観に通ずる、
物悲しさ入り混じる想い出の空気を感じる。
下水道の道を通り表の世界に出ようとする途中、
黒バックから浮き出る字体は、
暖かさの中に入り混じる見知らぬ母に対する幼い命の葛藤が、
西洋の吹奏楽的BGMと混ざり、まるで冷たい水が、
都会の夜景を飛び回っているかの様な美しさを錯覚させてくれる。
字体の演出については、
庵野氏の作風から始まる無意識の表現法の一つといえば、
すでに斬新と呼べるものではないが、
大筋に流れるテーマが違うので、 二次創作に多く見られる、
下世話な影響力はほとんど感じずプレイに興じる事が出来る。
箸を使ってマクドナルドのハンバーガーの肉を食う様な感覚
また、一定量のイベントを達成する事により、
部分的にターニングポイントを設け、
そこからの話の流れを1話として画面に流すアニメ的な演出は、
明らかにサクラ大戦の影響を受け、
広井王子氏がゲームメディア全体の波に、
新たな軸を再構築したのだな。
と、改めてグラサンの功績のデカさを思い知らされる。
個人的には暴プリの方が好きだけど
また、戦闘システムがやたら楽しい。
敵との間合いを掴んで丸ボタンで攻撃を当てる
アクション形式のアクティブバトル。
キャラの操作感が良く、ボタンを押す「間」や、
他ボタンとの組み合わせで作業を分担か出来る、
操作コマンドのアナグラム可も、
無駄に増えたボタンの役割を軽視しがちな昨今のゲームでは、
中々見られなかったシステムだけに覚え甲斐があるというものだ。
ダンジョンの構造探索は不思議のダンジョンシリーズの応用か。
通った場所をマッピングしていき、
場に居合わせたモンイターとの戦闘に入る度のアクティブバトル
(トルネコの様に詰め将棋形式ではない)
フロアに不定位置に配置されたアイテムや宝箱の数々。
ただしこのゲームは次の階層に進む為の条件として、
「ゲートキー」と呼ばれる、階層を進む為に必要なフロアの鍵が存在する。
プレイヤーは各階にそれぞれ一体存在するゲートキーを持つ「モンスター」を探す事が必要になってくる。
1ダンジョンにはこのフロアと呼ばれる物が複数存在していて、
ダンジョンに割り当てられたフロア条件の区切りが非常に上手く、
ゲートキーを入手する事に小規模なエンディングを見た様な満足感が得られる辺りも、
休日を楽しむ人間心理を上手く掴んだ珠玉の構成。
そして各ダンジョン毎に存在する条件指定。
タイム以内にクリア:アイテム未使用クリア。
等の項目を達成も探究心を熱くくすぐる。
サポート体制も抜群で、先々に進む度増える膨大なシステムの解説を、
メニューコマンドからいつでも引き出せるヘルプコマンド。
フルボイス、目に優しい実行ムービーつき。
何回も見るのが目ざといムービーシーンは、
スキップ機能でカットビOK。
スタートを押せば誤認防止用として、
本当に飛ばすかどうかの確認メニューポップアップも
まるで新宿NO1ホストの様な気遣い様で頭が下がり放し。
とりあえず購入から2時間のプレイ程度で、
把握出来る長所突き詰めたところこんな感じになる。
この夢を思わせる様な幻想が後半まで持続するかは分からないが、
今はとにかく久しぶりに出会えた名作に陶酔するばかりだ。
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