プッシュ The ボタン

 

非行教師ワタナベ

夜の仕事帰り道、フラフラと駅の飲み屋街を通って帰ってくると、
見た目と声質から明らかにそれと解る不良少年の多さに驚かされた。
「せんっぱいー!(先輩)
・マジ (凄く)
・バリ (とても)
・超 (大いに)
・ムカっき (腹が立つ)ますよそれー!」

同義の強調語を駆使してヒタすら感情を露出する彼等の姿は実に逞しい。
声の若さから年頃はまだ14〜15といったとこか、
なのに何故かスキンヘッドで眉毛が無い者や、
タバコ片手に「ツイッスー!」等と奇怪な叫び声を上げる者が大多数。
中には鼻歌でゴットファーザーのテーマを歌いだす者までいる。


帰り道に見かけたこんな夢の様な光景をキッカケに
俺はあるゲーム企画案を思いついた。




軟弱かつ狡猾・邪険な昨今の不良少年を更正すべく、
今一人の元非行少年が立ち上がった。

「非行青年 ワタナベ」
・ゲームの進行を2DISKで章別に分ける



>第一章 少年編
「極悪少年 渡辺〜少年院更生編〜」

ワタナベは不遇な家庭環境のウサ晴らしに行っていた暴力や
陰惨な異性交遊の末に中学2年時少年院に叩き込まれてしまう。
そして彼は、そこである熱血指導官に会い
彼の人間味溢れる更生指導により自らの歪んだ感性を叩き直される。

その熱血指導官というのが貴方(プレイヤー)
で、まずDISK1のプレイ内容としては、
彼の少年院生活を育成シミュレーションとして、
ワタナベを出所させる事を目的とする。

序文で私が見た光景の様に、
不良言葉というのは発音のアクセント含めて
実に 特異・独特 なものが多く、
ゲーム開始時極度の不良であるワタナベの言葉遣いは、
一般人である貴方の頭では理解不能だ。

ここで必要なのがワタナベの心を開かせる為の交友指導になる。

ゲーム開始時、貴方に対して心を閉ざしているワタナベは
理解不能の言葉や暴力行為を続けるだけで話を取り持つ間が立たない。

が、彼は一定の間隔で他の言動に比べ極めて理解しやすいジェスチェーや言葉で、
欲望に任せた不道徳な要求を貴方にけしかけてくる。

■例

>二本指を立て
「ヤニ」

>目をトロンとさせ
「エロ本貸してちょ♪」

>小指を立てて
「女紹介してよん」



この瞬間が好機だ!



ここでワタナベを叩いてはいけない。
あえて好意的に要求に応じる事で、
「友好値」「信頼度」を高め「学」に対する好奇心を徐々に形作るのだ。
(そうしないと奴は勉強に興味を示さない)


また、上記の更生教育を過程に辿りつくEDの種類は大きく分けて二通り。

条件として
・拘留時間制限は1年間
以下にエンディングの概要を記載する。

■TYPE1 // BAD END //

期間内に出所させられなけれぱ
彼は以降も少年院での生活を自堕落に過ごし続け、
挙句の果てには脱獄して極道になるといった結果に。

(BAD END) → GAME OVER

(ちなみにワタナベのBAD ED 非行写真は全部で100種。
これ等をALLコレクトし、アルバムに追加すると、
オマケの格闘ゲーム「ハミ出し武勇伝」をプレイ可能に。
武器は鉄パイプ、単車、ドス、チャカ、麻薬粉等)



■TYPE2 // GOOD END //

指導員との交流・指導が上手く運び、
ワタナベの「モラル」「情」「教養」の値が合格水準を突破すれば
指導官(プレイヤー)と本人との対談面接後(問答形式)
無事少年院から出所許可が出、
非行少年ワタナベは晴れてシャバに顔を出せる様に。

(GOOD END) → DISK2(非行教師 ワタナベ編へ



>第二章 青年編
「更生青年 ワタナベ〜バリ教師始めます!〜」

第一章 DISK1の貴方の熱烈な教育指導にて
無事シャバの生活に舞い戻ったワタナベ。

彼には一つの夢があった、一時期徹底的に人道を踏み外した生活を
送っていた自分を更生してくれた指導官(貴方)の様に、
彼もまたあの頃の自分の様に歪んだ生活を送っている
世の非行青年を教育で救いたいという大きな夢が。

そうして彼はシャバに出た後切実な思いで必死に学弁に励む
(ここはシミュレーションとして掴みでプレイヤーに操作させる。
ワタナベが受験に落ちた場合は
勉強した結果の値によって就職先が変更→ミニEDとなる)
見事、大学を卒業後教師課程を習得した彼は、
悪名高い伝説の不良高校に教師として配属される。

そして担当初日、
神妙な表情で戸張のガラスが割れたクラスに入った彼は、
黒板にデカデカと力強くこう書いてみせた





「ワタナベ」





それを見ながらヘラヘラと笑う「金髪「スキンヘッド」「ピアス」
「リーゼント」「モヒカン」「ボンタン」「ドカン」の不良集団。

そして彼は文字を書き終えるやいなや
懐から取り出した長めのドスで黒板の真ん中に
「ボゴッ!」と、目一杯突き刺すと。教壇を両手で叩き
クラス中に睨みを効かせこう叫んだ。


ワタナベ「ヨォロシクゥ!!」


教室に戦慄が走り、
ヘラヘラと笑っていた不良の口元が一斉に「キッ!」と線を結ぶ。

次の瞬間教室全体に轟いたのは


一同「ヨロシクゥッ!!」


という、不良集団による雷の様な合唱だった。

ワタナベは口元を緩ませ軽く笑った後、
クラスに向かってこう呟いた


「気合入ってんじゃねえか…」


ここで序章を終え、
非行教師ワタナベ編の開始になる。


■システム概要等
二章の主役はワタナベでそれを操作するのがプレイヤーになる。
すなわち1DISKで腕を上げた指導官としての貴方の成果が、
そのまま教師ワタナベとして引き継がれている訳だ。

進行形式は30人のクラスを一マトメとしてではなく、
ワタナベが個人で管理していく個別制に当たる。

が、授業進行中は主に各個人の生徒ステータス
(理解度、科目の向き・不向き)
に、よって一回の授業の成果がバラけて反映されるものとして
ワタナベ(プレイヤー)がバランスを考え、
授業時間・科目の設定を行う。
(教師シミュレーション卒業よりの引用)

そして授業終了後のホームルーム、
「ぶっつけディスカッション」
これは日頃思い思いに溜め込んでいる、
世に対する矛盾や、嫌いな奴への不満、失恋の鬱憤、
と、各個人のストレスを発散させるワタナベなりの道徳の授業である。

ここで、生徒個人同士の意見がブツかりあった場合は、
その場で互いの承諾を得たものとし屋上にいき
タイマンで勝負をつけさせる。
(ただし「金的」「目潰し「道具の使用」等は禁止)
タイマン敗北者サイドには
ワタナベ自身が悟す言葉を選択分岐でかける事で
ストレスバランスを緩和させてやる。

こうした個性重視の教育を続け、
30人の不良の巣窟を更生の道に向けていく。

ちなみに、ワタナベは定年退職するまで教師を続ける事が出来るので、
その間には始めの様な不良中心でない、
「真人間グループ」や「お色気女子生徒組」も現れる(共学です)
その度にワタナベは教育方針を微妙に変え、
<生徒の夢> <恋の悩み> <就職先>
と、思春期を迎えた多感な年頃の生徒達に気を遣った配慮をしなければならない。

また、育てていく者の中には特別な才能ある者も少なからず居る訳で、
どれだけ有能な人材を世に送り込めるかという能力主義的な立場で
個人強化を優先的に行うのも「ゲーム」としては悪くない。

システムのイメージは3年区切りの入学シーズン時に、
ダビスタでいう子馬が能力別に30名ずつ送り込まれるといった按配だ。

先の読めない問題生徒の続出を無事育て上げ
「伝説の非行教師」となれるかワタナベ!

その手はプレイヤーかつ「ワタナベ自身」である貴方の手に委ねられている。














という感じの企画です。
ワタナベ。







// レポート製作 //
連射太郎


2003 6/16





Last Update : 2003/06/16