ここは透の運転する車の中。
被害者の母「美智子」を自宅まで送り届けた透は、
助手席で黙々とキャンディをしゃぶり続けるマリーの横で
これまでの事件の経過を脳裏に馳せながら、次の目的地
「アリアン統合クリニック」へと運行を急いでいた
透
「なあ、マリー、今から行くとこって
前働いてたとこなんだろ?」
マリー「(ペチャペチャ…)(飴を舐めてる)」
透
「なんで辞めたのさ?
医者なんて良い仕事だろうに」
マリー
「偏見だねぇ…
大概の医者なんてのは仕事相応な扱いだよ」
透
「うーん…」
マリー
「金稼ぐなら土地担保に不動産金融でもやってた方がよっぽどマシさ」
透
「収入不足かい?」
マリー
「難しい事考えないで前見て運転してな」
マリーはそういうと腕時計の秒針を確認しながら透を急き立てる
透
「ああ、時間が…」
透は車内の時計を流し見ると
目線を戻し運転に集中し始めた
マリー
「秀明の奴は気が短いんだ」
透
「その、今から話し聞きにいく秀明さんってどんな人だい?」
マリー
「変人」
透
「あんたより!?」
面を食らった透は思わず身を乗り出しマリーの横顔を覗き込むと
その隙に目の前に白い車体が斜線変更してきた
「キキュイーッ!ドギャシャゴオォーン!」
透
「うわぁ!」
マリー
「っ!」
透
「いやあ、ビックリしたなぁ…」
マリー
「馬鹿よりマシだろ」
透
「………」