ゲームは仮想空間である。
無論、「小説」「アニメ」「映画」等も該当するが、
それぞれ、
・章区切り
・一話構成
・スタッフロール
と、ユーザーを現実生活へ引き戻す為の仕掛けが、
ある位置に仕掛けられている。
が、ゲームを見た時、ユーザーはプレイヤーとなり、
画面の前でボタンを押し続ける限りプログラムに
個々の反応が起こる為、
他分野に比較してそれ等「膨大な道草」をマトめる為の
明確な手段が設けにくい娯楽と思われる。
が、それを明確にする為の確立された手段が
ゲームにも存在する。
それが「セーブポイント」だ。
読んで字の如く「場所の保存」
一旦止めて、また再開。
1プレイの目標を定める、
現実とのバランスを保つ境界線となる。
MARSの手がけるゲームは、
ここに面白い仕掛けをしている事に気付く。
例を挙げると、
ネクストキングではセーブする際、
ゲーム内の司会進行役にあたる<アンゼリカ>が、
一捻り加えた物言いでプレイヤーに返事を求めてくる。
(正確には求めていない)
「セーブ…しないよね?」
お気づきだろうか?
とりあえず私は即「セーブ」に指が走った。
また「俺の屍を越えてゆけ」では、
セーブ画面に切り替わると、
緩やかなテンポの歌詞無し版BGM「花」が流れ、
データセーブを行うと
その後テーマソング「花」を聞いてから
中断する事が可能になる
(ゲーム故 勿論拒否権有り)
という、見事な「区切り」が設けられている。
以上の例を含め、ゲーム中におけるセーブ行為は、
「一仕事終えた充実感」と、「継続契約の安心感」から、
先を意識しつつも自然と中断する事が可能になる。
という、現実に戻る為の心理的な利点が働く事に気付く。
また、「気になる場所」から、
引き戻し式に断片的なプレイを楽しませる、
社会人のシビアな時間制限を心得た
心遣いの回帰ポイント。
これ等の点を統括して
「ユーザーの現実を思いやる、
製作者からのさり気無い気遣い」
が、<桝田ゲー>また、MARS社の製作する
作品の特徴の一つでは無いだろうか。